IESBA、サステナビリティ報告におけるグリーンウォッシュを防止するための倫理基準案を発表

IESBA、サステナビリティ報告におけるグリーンウォッシュを防止するための倫理基準案を発表

1月24日、国際的な基準設定機関である国際会計士倫理基準審議会(IESBA)は、グリーンウォッシングを緩和し、報告される持続可能性情報の質を高めることを目的とした、持続可能性報告及び保証における倫理的配慮に関する新たな基準案の公表を発表した。

IESBAの新たな提案には、公開草案「サステナビリティ保証のための国際倫理基準」(IESSA)が含まれ、サステナビリティ報告に関与するサステナビリティ保証実務者及び専門家会計士に期待される行動及び倫理規定の枠組みを定めるとともに、「外部専門家の業務の利用」(外部専門家の業務を利用するために、専門家会計士又はサステナビリティ保証実務者が外部専門家の能力、能力及び客観性を評価する際に適用すべき枠組みを提供する)が含まれている。

EUのCSRD規則、米国証券取引 委員会(SEC)の気候変動開示規則、 国際サステナビリティ基準委員会 (ISSB)が最近発表したIFRS気候変動・サ ステナビリティ報告基準など、サステナビリティ 開示基準や規制要求事項が次々と登場し、 世界的な企業が、サステナビリティや気候 変動に関連するリスク、機会、影響に関する報告を開始する準備を進めている中 で、新たな基準案が提案された。

また今回の提案は、国際監査・保証基準審議会(IAASB)が昨年、持続可能性報告保証のための基準案を発表したことを受けたものである。IESBAによると、IAASBと協調して策定された新しい倫理基準は、投資家、消費者、企業、政府など複数の利害関係者にとってサステナビリティ情報がより重要になっていることから、「特に関連性が高い」という。

IESBAは、「効果的なサステナビリティ基準インフラには、高品質のサステナビリティ報告・保証基準だけでなく、サステナビリティ情報の完全性と客観性を確保するための倫理(独立性を含む)基準のグローバルなベースラインも必要である」と付け加えた。

公開草案の公表と同時に、IESBAは、外部専門家提案については4月30日まで、サステナビリティ基準提案については5月10日まで、新しい公開草案に関するコンサルテーションを開始した。

【関連記事】グリーンウォッシュとは。日本企業に必要な対応策を事例とともに紹介。

【参照ページ】
(原文)IESBA LAUNCHES PUBLIC CONSULTATION ON NEW ETHICAL BENCHMARK FOR SUSTAINABILITY REPORTING AND ASSURANCE
(日本語参考訳)IESBA、持続可能性報告と保証のための新しい倫理的ベンチマークに関する公開協議を開始

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