9月25日、アジアインフラ投資銀行(AIIB)は、「気候行動計画(CAP)」を発表した。CAPは、2024年から2030年までのAIIBの気候変動対策における指針となるよう設計された。AIIBの気候変動融資を管理する原則をまとめると同時に、加盟国支援に向けた投資における重要な行動分野を特定している。
CAPは以下4つの原則を掲げている。
- 公正なアプローチ:AIIBは、アジア全域における気候変動の影響の多様性と、メンバーの所得水準、開発経路、気候変動に対処する能力のばらつきを認識し、個々の顧客のニーズと状況に応じた気候変動ソリューションを提供する。
- 包括的アプローチ:AIIBは、気候変動の緩和、レジリエンスの構築、適応の強化、生物多様性と自然保護のための共益を同時に提供するソリューションに焦点を当てる。自然をインフラとして捉え、自然をベースとした解決策をインフラ設計に組み込むことで、気候変動への回復力を高める。
- 資本の動員: AIIBの強固な財務基盤を活用し、資金調達パートナーシップを強化して、気候変動プロジェクトへの資金を動員する。
- 技術革新の促進: 緩和と適応双方のための技術革新を促進する。
AIIBは、2025年までに年間融資承認額の少なくとも50%を気候変動資金に充てることにコミットしており、2022年には56%を達成。2023年第2四半期までに、AIIBは累計117億5,000万ドル(約1.7兆円)の気候変動融資を達成し、気候変動要素を含む107のプロジェクトに融資した。2023年、AIIBはアジア初の適応債券を発行し、気候変動への耐性に対するコミットメントも実証。2023年7月1日以降、すべての新規投資をパリ協定の原則に沿ったものとすることも決定している。
【参照ページ】
(原文)AIIB Unveils Climate Action Plan, Reinforces Commitment to Tackle Climate Change
(日本語参考訳)AIIB、気候行動計画発表。気候変動対策へのコミットメントを強化