CDP、水の価値評価で340兆円の投資機会を明らかに

8月23日、国際的な気候変動情報開示推進NGOのCDPは、水危機への取り組みがもたらすリスクと機会を明らかにする新しいデータを発表した。民間セクターがウォーター・セキュリティに取り組めば、2兆3,000億米ドル(約340兆円)の商機を生む可能性があるとの見解を示した。

本データは2018年から2022年の間、CDPに定期的に報告した591社の中から選ばれたグループから、自己申告を受けた財務的価値を組み合わせたもの。商業的利益を報告している企業には、ヒューレット・パッカード、マース、ロレアル、日産自動車などが含まれる。

水効率は、小売業からエネルギーに至るまで、ほぼすべての業界で最も多く報告された機会であった。また、企業は1.7兆米ドル(約250兆円)の価値を持つ可能性のある新製品やサービスの機会を挙げている。さらに、3280億米ドル(約48兆円)相当の新たな水関連市場、2310億米ドル(約34兆円)のコスト削減につながると推定される異常気象への耐性の向上が挙げられている。

2022年のデータだけでも、水リスク削減のために最大790億米ドル(約11.5兆円)を投資する計画が示されており、水問題は企業の意思決定に浸透しつつある。2022年のデータでは、58%が取水量を維持または削減していることを明らかにし、63%が水関連のリスク評価を実施している。さらに83%が、これらの問題についてバリューチェーンに関与していると回答している。

また現在、世界中の1,100人のCEOが、年次業績評価を水目標の達成度と結びつけてCDPに報告していることも判明。

2022年に水質汚染の目標を設定している企業は全体の12%で、水・衛生・衛生(WASH)目標を設定している企業は8%となった。

【参照ページ】
(原文)New data reveals US$2.3 trillion investment opportunity from valuing water
(日本語訳)CDP、水の価値評価で340兆円の投資機会を明らかに

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