GHGプロトコル、Scope2改定案へのパブコメ公表 アワリーマッチングなどに意見多数

7月29日、GHG Protocolは、Scope 2の改定案に対するパブリックコンサルテーションの結果を公表した。56カ国から1,000件を超える意見が寄せられ、特にアワリーマッチング(時間帯別マッチング)や供給可能性(Deliverability)など、主要論点では、企業・業界団体とNGO・技術提供者などの間で意見が分かれた。

これを受け独立基準委員会(ISB)は、従来の改定案をそのまま採用するのではなく、マーケット基準について複数の報告アプローチを専門作業部会(TWG)が検討するよう指示した。Scope 2改定は今後、厳格化か実務性かという二項対立ではなく、複数手法を前提とした制度設計へ議論が移る可能性が高まっている。

今回公表された報告書によると、パブリックコメントには56カ国から1,072件の回答が寄せられた。回答者の約4割を企業が占めたほか、業界団体、コンサルタント、NGO、学術機関、電力事業者など幅広いステークホルダーが参加した。地域別では欧州、北米、東アジアからの回答が中心となった。

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改定案では、マーケットベース手法における品質基準の一つとして、使用した電力と環境属性証書(EAC)を1時間単位で一致させる「Hourly Matching」の導入が提案された。

支持する意見では、24時間を通じた電力系統の運用実態をより適切に反映できることから、夜間に太陽光由来の証書を割り当てるような不整合を防ぎ、グリーンウォッシングの抑制につながるとの見方が示された。また、蓄電池やクリーン電源、需要側の柔軟性といった電力系統の脱炭素化に必要な技術への投資を促す価格シグナルになるとの意見も寄せられた。さらに、時間帯別の環境属性証書を発行・管理するための市場インフラについても、複数の地域で整備が進みつつあることが紹介されている。

一方で懸念する意見では、北米や欧州以外の地域では時間帯別データや取引制度などのインフラ整備が十分ではなく、地域間で大きな格差があることが指摘された。また、管理や監査に要するコストや実務負担が増加し、中小企業を含む企業のクリーン電力調達への参加を妨げる可能性があるとの意見も示された。このため、時間帯別マッチングは義務化するのではなく、企業が選択できる仕組みとすべきだとの意見も多く寄せられた。


今後は2027年に統合草案、2028年に最終基準を予定していると思われる。直ちに算定方法が変わるわけではないが、再エネ調達の「時間」「場所」「証書」の質をより重視する方向性は維持されている。
今後の議論はSBTiやISSBなど他の国際基準にも影響を及ぼす可能性があるため、2027年以降の統合草案が、算定ルールの行方を左右する重要な節目となりそうだ。

原文:Scope 2 Public Consultation Summary


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