欧州議会、CBAM「緊急停止条項」の削除を支持 対象を川下450品目へ拡大する方針へ

9月15日、欧州議会は、炭素国境調整メカニズム(CBAM)の対象拡大・迂回防止措置に関する改正案を採決し、深刻かつ予見できない状況でCBAMの適用を一時的に免除できる「緊急停止条項」の削除を支持した。このまま、採決された場合、対象品の価格が急騰するような事態が起きても、それを理由にCBAMの負担を一時的に外せる特例は設けないことになるだろう。

域外企業にとっては、EU向け輸出に伴うCBAMコストの免除特例の余地が狭まる可能性がある。また、今後の川下製品への対象拡大によって、鉄鋼・アルミニウムなどの素材メーカーだけでなく、それらを使用する製品をEUへ輸出する企業にも影響が広がる可能性がある。

欧州委員会は2025年12月に公表した改正案で、CBAMがEU域内市場に与える影響を監視し、対象製品の価格への影響によって域内市場に深刻な損害が生じた場合、状況が解消するまで特定製品をCBAMの対象から一時的に除外できる仕組みを提案していた。しかし、欧州議会は今回、この例外措置を設けない立場を示した。

<実務ポイント>
CBAMの対象が川下製品まで拡大されれば、素材メーカーだけでなく、関連製品をEUへ輸出する企業にも影響が広がる可能性があります。EUの輸入者からデータ提供を求められるなど、自社製品が対象か確認し、排出量データを提供できる体制を整理しておくことが重要です。

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ロイターの報道によれば、欧州議会は緊急停止条項の削除を支持する一方、CBAMによる価格上昇の影響を受ける産業への対応として、CBAM収入を活用した補償策を提案したという。また、アルミニウムについては適用強化策も支持し、対象となる輸入量の基準を現行の50トンから5トンに引き下げるほか、一部の自動車部品やドア部材、太陽光パネル向け製品、使用済みアルミニウムスクラップなども対象に含める方向が示された。

今後、欧州議会とEU理事会との間で最終的な制度内容について協議がなされる。緊急時の適用除外措置を残すか、川下製品への対象拡大がどうなるかが焦点。なお、最終的な対象範囲によっては、鉄鋼・アルミニウムなどの素材メーカーだけでなく、それらを使用した製品をEUへ輸出する企業にも影響が広がる可能性がある。対象となる企業では、製品の排出量データの把握・提供など、CBAM対応の準備が重要となるだろう。

原文:European Parliament 「Carbon Border Adjustment Mechanism: extension of its scope to downstream goods and anti-circumvention measuresRoll Call vote


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