WWFジャパン、パーム油調達におけるTNFD対応を調査 開示進展もトレーサビリティに課題

9月11日、公益財団法人世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)は、報告書「ネイチャーポジティブに向けたパーム油調達におけるTNFD開示ベンチマーク調査」を公表したと発表した。
同調査は、パーム油の使用量や業種特性を踏まえて選定した日本企業27社を対象に、自然関連課題への対応状況を評価したもの。評価にあたっては、自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)の提言や関連ガイダンスを参考に、パーム油調達に求められる実務対応を整理した。
調査では、自然関連情報の開示内容に加え、トレーサビリティの確保、サプライヤーとのエンゲージメント、NDPE(森林破壊ゼロ、泥炭地開発ゼロ、搾取ゼロ)への対応などを評価対象とした。
報告書によると、日本企業ではTNFDに沿った自然関連情報開示が一定程度進展していることが確認された。一方で、その内容を支える実務対応には課題が残っているという。
特に、バリューチェーン上流におけるトレーサビリティの不足が課題として挙げられた。パーム油の調達先を農園レベルまで把握できている企業は限られており、森林破壊や泥炭地開発などのリスク把握が十分でない状況が見られたとしている。
また、多くの企業でサプライヤーへの働きかけが初期段階にとどまっており、森林破壊ゼロやNDPEの達成に向けた情報収集や管理体制の強化が必要だと指摘した。
WWFジャパンは、ネイチャーポジティブの実現には自然関連情報の開示だけでなく、その裏付けとなる実際の取り組みが重要だとしている。報告書では、調達方針の策定に加え、トレーサビリティの向上、サプライヤーとの連携、進捗管理の実施を求めるとともに、企業には森林破壊の回避だけでなく、自然の回復・再生に向けた移行計画の策定も期待されるとしている。
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