7月5日、米国エネルギー省(DOE)は、地域クリーン水素ハブ(H2Hubs)の開発を支援し、クリーン水素開発プロジェクトへの投資リスクを軽減することを目的とした、クリーン水素イニシアティブに10億ドル(約1,405億円)を投資する計画を発表した。
本発表は、バイデン政権が先月発表した「米国クリーン水素戦略とロードマップ」に続くもので、エネルギー集約型産業で使用される低炭素水素の生産、使用、流通を大幅に拡大し、米国の脱炭素化目標を支援することを目的としている。
水素は、クリーンなエネルギーの未来への移行における重要な構成要素のひとつであり、特に、風力や太陽光のような再生可能エネルギーによる解決策が現実的でない、排出削減が困難なセクターにとって重要であると考えられている。
他の物質から水素を取り出すプロセスに再生可能エネルギーを利用するグリーン水素のようなクリーン水素の開発には、インフラ、電解、輸送、貯蔵などの分野で大規模な投資が必要となる。
バイデン政権は、クリーン水素を気候変動戦略の重要な要素に掲げており、その重要なイニシアティブのひとつが、クリーン水素ハブ、つまりインフラに接続されたクリーン水素の生産者と消費者の地域ネットワークの開発であり、このプロジェクトに超党派インフラ法から80億ドル(約1.1兆円)を割り当てている。
DOEによると、本プログラムは、H2Hubsの生産者と利用者が、民間投資を可能にするため、生産初期に必要な市場の確実性を確保するのに役立つ。本イニシアティブは、ペイ・フォー・デリバリー契約、オフテイク・バックスタップ、オフテーカーによる分析を支援するフィージビリティ資金などを含むメカニズムを通じて、収益の確実性を提供することを支援する。DOEは、新イニシアティブの下で採用すべき最も効果的な方策に関する意見を収集するため、情報提供の要請を開始した。
【参照ページ】
(原文)Biden-Harris Administration to Jumpstart Clean Hydrogen Economy with New Initiative to Provide Market Certainty And Unlock Private Investment
(日本語参考訳)バイデン-ハリス政権は、市場の確実性を提供し、民間投資を喚起する新しいイニシアティブでクリーン水素経済をジャンプスタートさせる。