ミュンヘン再保険、NZIAの加盟を中止

3月31日、ミュンヘン再保険は、Net-Zero Insurance Alliance(NZIA)への加盟を中止した。同社CEOであるヨアヒム・ウェニング氏は、重大な独占禁止法上のリスクにさらされることなく、世界中の保険会社の集団的アプローチで脱炭素目標を追求する機会は非常に限られており、個別に地球温暖化抑制のための気候目標を追求する方が効果的であるとの考えを示した。

ミュンヘン再保険は、野心的な気候変動目標を堅持している。投資ポートフォリオに関連するGHG排出量を2025年末までに29%削減し、その後、2050年までに順次ネット・ゼロにする予定である。

石油および天然ガスの探査・生産(元受保険、直接再保険、ファカルティヴ再保険)については、同社は、2050年までに関連する温室効果ガス(GHG)排出量がゼロとなるように、気候関連産業のエクスポージャーを削減する予定である。第一段階として、2025年までに排出量を5%削減することを目指す。2023年4月現在、ミュンヘン再保険は、新しい油田やガス田、新しい中流石油インフラを含むプロジェクトには保険をかけていない。同時に、ミュンヘン再保険は、ダイレクト保険事業およびファカルティ保険事業における熱石炭関連のエクスポージャーを2025年までにグループ全体で35%削減し、2040年までにこのエクスポージャーを完全に排除する予定である。2018年以降、新規の石炭火力発電所、炭鉱、2019年以降はオイルサンド鉱山の保険を停止している。

自社事業からの排出について、同社は2015年からカーボンニュートラルを実現し、過去には2009年から2019年にかけて従業員1人当たりのCO2排出量を44%削減した。現在のGHG排出量は、2025年までに従業員1人当たりさらに12%削減される予定である。2030年までに、ミュンヘン再保険は、事業におけるGHG排出量のネット・ゼロに期待している。

【参照ページ】
(原文)Munich Re discontinues NZIA membership
(日本語訳)ミュンヘン再保険、NZIAの加盟を中止

関連記事

“導入事例へのリンク"

おすすめ記事

  1. 2024-4-16

    SSBJ公開草案の重要ポイント解説:今後の気候変動の情報開示はどう動くか

    2024年3月29日、サステナビリティ基準委員会(SSBJ)が国内のサステナビリティ開示基準の草案…
  2. 2024-4-9

    SBTN(Science-Based Targets for Nature)とは。企業のネイチャーポジティブ経営を実現する目標設定の方法論を解説。

    TNFDのフレームワークが公開され、先進企業ではフレームワークに基づく情報開示が進みつつある(20…
  3. 2024-4-2

    【さくっと読める】TNFDの開示とは。重要ポイントを抽出。

    2023年9月、TNFDのフレームワークが完成し公開された。2023年時点でTNFDに基づく開示を…

ピックアップ記事

  1. アップルのサプライチェーンの95%、2030年までに100%再生可能エネルギー使用を約束

    2024-4-25

    アップルのサプライチェーンの95%、2030年までに100%再生可能エネルギー使用を約束

    4月17日、アップルは、バリューチェーンの脱炭素化という目標に向けて大きく前進していることを発表し…
  2. 2024-4-24

    ダウとP&G、プラスチック・リサイクル技術の共同開発契約を締結

    3月25日、 米国の化学世界大手であるダウと消費財業界大手のP&Gは、プラスチック・リサ…
  3. 2024-4-24

    住商グループとパートナー企業、太陽光発電パネルの再利用・リサイクル実証実験に着手

    3月28日、住友商事、三井住友ファイナンス&リース(SMFL)、SMFLみらいパートナーズ…

ページ上部へ戻る