Share Actionと複数機関投資家、Credit Suisseの化石燃料ファイナンスに株主決議を提出
3月9日、ShareActionは11の機関投資家とともにCredit Suisseに対し、化石燃料への融資戦略を明確にし、そのエクスポージャーを削減するための短期・中期・長期の計画、および世界の気温上昇を1.5℃に抑えるというパリ協定の目標に沿った戦略に関する情報開示を求める株主決議を提出したと発表した。
この新しい取り組みは、昨年ShareActionがHSBCにより重要な気候変動対策を促した結果、HSBCが石炭火力発電と一般炭鉱への融資を段階的に廃止する方針を発表したことも背景にある。
Credit Suisseは、早期に1.5℃への対応を約束した欧州銀行の一つだが、依然として欧州最大の化石燃料にファイナンスを実施する金融機関の一つだ。決議案では、Credit Suisseが2016年~2020年の間に化石燃料のトップ企業に820億ドル以上を提供し、欧州第4位の化石燃料の金融機関、世界トップ30の石炭発電会社の第3位の金融機関になっている。
Credit Suisseは2020年に化石燃料への融資方針を制定し、収益の25%以上を一般炭採掘や石炭発電から得ている企業や、北極圏の海上・陸上石油・ガスプロジェクトに融資しないことを約束したが、ShareActionは、同行の多くの同業者に比べて方針が遅れ、資産運用部門には及ばず、非従来型石油・ガスに対する制限も含まれていないと指摘した。
また、ShareActionは、この決議を発表した声明の中で、「Credit Suisseのサステナビリティへの信頼性は、一連のリスク管理の不手際に伴い、特に大きな打撃を受けている」と述べているCredit Suisseは最近、SRI(Sustainability, Research & Investment Solutions)組織を他の事業部門に統合するなどの大幅な組織再編を発表し、最高サステナビリティ責任者のマリサ・ドリューやSRI CEOのリディ・ハドソンなど、複数のサステナビリティ担当上級役員が同行を去っている。
【参照ページ】
(原文)Credit Suisse investors demand greater climate action
(日本語訳)機関投資家、Credit Suisseの化石燃料ファイナンスへのエクスポージャーを対象としたキャンペーンを開始