2030年に石炭、2045年に石油、2050年に化石ガスの消費終了へ

4月、フランス政府は、化石燃料からの脱却のロードマップを発表した。パリ協定やCOP28で合意された「化石燃料からの移行」を踏まえ、エネルギー用途で石炭を2030年、石油を2045年、化石ガスを2050年までに終了する目標を掲げた。
フランスでは2023年時点で、化石燃料が最終エネルギー消費の6割弱を占める。2024年の内訳は石油38%、化石ガス19%、石炭1%未満。化石燃料の95%超を輸入に頼っており、脱炭素化は気候対策だけでなく、エネルギー安全保障上の課題でもある。
政策の柱となるのは、国家低炭素戦略(SNBC)と多年次エネルギー計画(PPE)だ。SNBCは2030年までに温室効果ガス総排出量を1990年比で50%削減し、2050年のカーボンニュートラル達成を目指す。PPEは、最終エネルギー消費に占める化石燃料の割合を2023年の約60%から2030年に40%、2035年に30%へ引き下げる方針を示している。
具体策として、最後の石炭火力発電所2基を2027年までに閉鎖する。運輸部門では電動化を進め、2030年までに新車販売の3分の2を電気自動車とする目標を掲げる。建物分野では、2026年末までに新築建物へのガスボイラー設置を禁止し、ヒートポンプ導入を拡大する。
電力面では、原子力と再生可能エネルギーを軸に低炭素電源を増やす。2024年時点でフランスの発電量の95%は原子力・再エネ由来だった。今後は新型原子炉の建設、洋上風力、太陽光、水素、バイオメタンなどの拡大を進める。
国際的には、南アフリカ、インドネシア、ベトナム、セネガルとの「公正なエネルギー移行パートナーシップ(JETP)」を通じ、石炭などに依存する国の脱炭素化を支援している。フランスは計25億ユーロ規模の支援を表明し、すでに約17億ユーロを拠出した。
フランス政府は、化石燃料脱却を気候変動対策に加え、エネルギー自立、産業競争力、貿易赤字改善につながる国家戦略と位置づける。低炭素電力を強みに、運輸、建物、産業の電化を進め、欧州の移行を主導する考えだ。
原文:France’s roadmap for transitioning away from fossil fuels
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