水資源の再配分で食料と雇用を同時確保 世界銀行が新枠組み提示

3月19日、世界銀行グループは報告書「食事と栄養で実現する繁栄」を公表し、食料システム全体での水資源管理の見直しが、将来の食料需要の持続的充足と大規模な雇用創出の鍵になると指摘した。適切な水活用により、100億人分の食料確保と約2億4,500万人分の長期雇用創出が可能とされる。
報告書は、現状の農業において水の過剰利用と過少利用が混在し、管理不全が生産制約となっていると分析する。このままでは世界人口の半数未満しか持続的に養えないとし、2050年に向けた需要増に対応するには水利用の最適化が不可欠であるとする。
新たな枠組みでは、水の利用可能性と食料生産・貿易を統合的に捉え、各国を類型化する。雨水農業の拡大が有効な国、灌漑投資が成長と雇用を促す国、水利用の見直しが必要な国、貿易活用が適する国を識別し、政策選択を支援する。
実現には民間資本の動員と公共投資の強化が不可欠であり、政策・制度・規制の整備が求められる。灌漑拡大と既存システムの近代化には、2050年までに年間240億~700億ドルの追加投資が必要と試算される。一方、各国の農業支出は年間約4,900億ドルに上り、その再配分やブレンデッドファイナンス、官民連携を通じて民間投資の誘導が可能とされる。
世界銀行は、2030年までにアグリビジネス向け資金を年間90億ドルへ倍増し、小規模農家支援などを通じて年間50億ドルの追加資金動員を進める方針である。水戦略の下で、食料生産と生計向上の両立を図るとしている。
原文:水の活用見直しにより100億人分の食糧確保と約2億5千万人分の雇用創出が可能に
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