トタルエナジーズとColas、建設業の脱炭素化を加速―3年間のパートナーシップを更新

10月20日、仏エネルギー大手トタルエナジーズと建設グループColasは、建設業の脱炭素化を推進するための3年間の戦略的パートナーシップを更新したと発表した。両社はフランス国内外で協働し、エネルギー転換を加速させる取り組みを拡大する。自社の事業活動における排出削減のみならず、顧客の脱炭素化支援も目的に掲げており、持続可能な建設モデルの構築を目指す。

今回のパートナーシップでは、①建設現場へのバイオ燃料(HVO:加水素処理植物油)および蓄電池による電力供給、②電動トラックや機械向けの再生可能電力による充電インフラの整備、③Colas保有地への太陽光発電設備設置―の3分野で協働が進められる。これらはColasグループの低炭素・生物多様性ロードマップ(2030年までにスコープ1・2排出量を46.5%削減)に基づく施策であり、トタルエナジーズはマルチエネルギー戦略を通じて支援を行う。なお、トタルエナジーズも2030年までに販売エネルギー製品の炭素強度を2015年比で25%削減する目標を掲げている。

両社の初期協働では、フランス国内の大規模改修プロジェクトで低炭素ソリューションを実証した。現場では、トタルエナジーズが提供する再生可能燃料「HVO100」が220台以上の重機・車両に使用され、従来燃料比で60~90%のCO₂削減を実現。さらに2.4MWh規模の蓄電池を導入し、ディーゼル発電機を代替したことで、現場全体で約4,000トンの排出削減効果を確認した。

Colasグループのピエール・ヴァンストフルガットCEOは、「このパートナーシップの更新は、建設事業の脱炭素化を加速させる決意の表れだ」と述べ、トタルエナジーズのバーナード・ピナテル下流事業部門ディレクターも「我々のマルチエネルギー戦略は、顧客の排出削減を支援する実践的な解決策を提供する」とコメントした。両社は今後も実証プロジェクトを拡大し、建設業の低炭素化モデルの確立を目指す。

(原文)TotalEnergies and Colas are renewing their partnership to decarbonize the construction business
(日本語参考訳)トータルエナジーズとコラスは建設事業の脱炭素化に向けて提携を再開する

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