経産省、次期デジタルガバナンス・コードでAIリスク管理を明記 データ管理も経営課題に

9月18日、経済産業省は「第3回 AI時代におけるデジタルガバナンス検討会」を開催し、次期デジタルガバナンス・コードの「基本的事項」の改訂案を取りまとめるとともに、「望ましい方向性」の改訂案について議論された。
デジタルガバナンス・コードは、経営者がITシステムとビジネスを一体的に捉え、持続的な企業価値の向上に向けて実践すべき事項を示したものである。今回の検討では、AIの急速な発展を踏まえ、経営や事業の変革にAIをどう位置付けるかが焦点となっている。
8月の第2回検討会では、AIはあくまで変革の「方法論(How)」であり、AIを導入すること自体が目的と受け取られないようにすべきとの意見が示された。また、AIがあらゆるビジネスに影響し競争環境が大きく変化する中、意思決定の迅速化など「スピード感」をコードに盛り込む必要性も指摘された。
こうした議論を踏まえ、第3回で示された改訂案では、「経営ビジョン・ビジネスモデルの策定」にAIの影響を反映。AIの急速な発展を含む社会・競争環境の変化が自社にもたらすリスクと機会を把握し、それを踏まえて経営ビジョンやビジネスモデルを策定する方向を示した。
AI利用に伴うリスクへの対応についても、第2回では「ガバナンス」「リスクマネジメント」「リスク統制」など、柱の位置付けを巡って議論が行われた。サイバーセキュリティやAI倫理などを、デジタルへの依存による企業価値の毀損を防ぐ観点から捉える意見も示された。
9月実施の第3回では、これを「デジタル活用におけるサイバーセキュリティ、信頼性・安全性の確保」と整理。企業がAIのリスクを正しく認識し、安全・安心なAI活用のための望ましい行動を取ることを基本的事項に盛り込む案が示された。
今回の改訂案は、AI導入の有無だけではなく、AIによる環境変化を経営にどう織り込み、戦略、データ、組織、リスク管理まで一体として対応するかを企業に示す内容となっている。企業にとっては、AI活用を支える社内の管理態勢をどう整備するか重要な論点となりそうだ。
サステナビリティ情報開示でも問われるAIの管理
今回の議論は、AIの活用を個々の業務効率化にとどめず、データ管理やリスク管理を含めた全社的な仕組みとして整備する方向性を示していると言える。サステナビリティ情報開示でも、情報収集・分析や開示文書の作成などでAIを活用する場面が想定される。一方、AIにどの情報を入力するのか、生成された情報をどのように確認するのか、誰が責任を持つのかなど、活用と同時に管理の仕組みを整えることが重要になるだろう。
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