欧州委、2027年作業計画を公表 グリーンクレーム指令案を撤回へ、環境規制の見直しも

11月4日、欧州委員会は、2027年に取り組む主要な政策・法案をまとめた「2027年作業計画」を公表した。EUの競争力強化と規制簡素化を重点課題に掲げる一方、気候変動への適応、水資源管理、自然保護関連法令の見直しなどを進める方針を示した。

欧州委員会は、これまでに12件のオムニバス・パッケージを提案しており、その他の簡素化措置と合わせて、完全実施後には年間223億ユーロの行政コスト削減が可能と試算している。

グリーンクレーム指令案を撤回へ

作業計画の附属書では、企業による環境訴求の根拠や表示方法を規制するグリーンクレーム指令案(COM(2023) 166)を撤回予定の法案に指定した。

欧州委員会は、同指令案の審議が長期化し、立法手続きの進展が見られないことなどを理由として挙げている。附属書では、6カ月以内に撤回する意向を示した。なお、現時点で撤回が正式に完了したわけではない。

グリーンクレーム指令案は、企業が製品やサービスの環境性能を訴求する際、科学的根拠に基づく裏付けや独立した第三者による事前検証などを求める法案。一方、EUでは根拠のない一般的な環境主張や、一定のカーボンオフセットに基づく製品の気候中立表示などを禁止する「グリーン移行に向けた消費者のエンパワーメント指令(EmpCo指令)」が2024年に成立している。

EmpCo指令が不適切な環境表示の禁止を中心とするのに対し、グリーンクレーム指令案は、環境主張の根拠の立証方法や第三者検証の要件を具体化するもの。今回の撤回方針によってEUのグリーンウォッシュ規制全体が廃止されるわけではない点には留意が必要だろう。

2030年以降のエネルギー政策や自然保護法令を見直し

2027年第1四半期には、2030年以降のエネルギー政策枠組みと規制簡素化パッケージの法案提出を予定している。また、石油・天然ガス事業者などに関係するメタン規則について、一部義務の延期を提案する方針も示した。

第2四半期には、欧州水資源イニシアティブと欧州熱波対策計画を提示する。気候変動に伴う水資源への影響や極端な高温への対応を進めるほか、気候保険アライアンスの創設にも取り組む。

第3四半期には、鳥類指令、生息地指令、Natura 2000を含む自然保護関連法令を見直し、現行の法的枠組みを変更する必要があるか検討する。

EU ETS改正案は優先審議案件に

2026年7月に提出されたEU排出量取引制度(EU ETS)関連の3件の改正案も優先審議案件として位置付けられている。排出量の監視・報告・検証に関する簡素化や、熱・燃料ベンチマークの見直しなどが対象となる。今回の作業計画は、2027年に予定する政策・立法活動を示すものであり、個別の法令改正が確定したものではない。

参考:2027 Commission work programme and annexes


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