NY電力会社Con Edison、2040年までに100%クリーンな電力を供給
ニューヨークの電力会社であるCon Edison社は、2040年までに顧客に100%クリーンな電力を供給するという目標を含む、一連のサステナビリティに関するコミットメントとイニシアチブを発表した。
クリーンエネルギーへの取り組みの一環として発表されたこの新しい目標には、2030年までに
同社の施設に100%クリーンな電力を供給することや、2035年までに同社の小型車を完全に電化することなどが含まれており、2050年までにネット・ゼロ・エコノミーを達成するというニューヨーク州の野望を支援するものだ。
Con Edison社は、拡大したコミットメントの一環として2030年までに20億ドルを投資し、エネルギー供給システムを強化することを表明した。また、同社は配送する天然ガスの量を縮小することを約束し、2030年までに1億ドルを研究開発に費やして長時間のエネルギー貯蔵と水素に焦点を当てるとしている。
当社のクリーンエネルギーへの取り組みは、未来の送電網の構築、すべてのお客さまの気候目標達成への支援、ガスシステムの再構築、当社のカーボンフットプリント削減による先導、ステークホルダーとのパートナーシップなど、5つの重要な柱によって支えられている。
第一の柱は、2040年までに100%クリーンな電力を供給する未来の送電網を構築することであり、これはニューヨーク経済の脱炭素化の要となるものだ。同社は「Reliable Clean City」プロジェクトに投資しているが、2035年までに9000MWの洋上風力発電を導入するという州の目標を達成するために、洋上風力発電などが電力を供給できる「クリーン・エネルギー・ハブ」の構築を提案している。
また、再生可能エネルギーを発電・供給するために、2023年までに10億ドルを投じて大規模な風力・太陽光発電プロジェクトを計画しており、ニューヨークで再生可能プラントを所有する認可を求めている。さらに、Con Edison Transmission事業を通じて2030年までにさらに10億ドルを投資し、グリーン電力を顧客に届けるための送電線を整備する予定だ。
加えて交通機関を電化するために、Con Edison社の公益事業は、2035年までに40万台、2050年までに100万台以上のEV用充電器の設置をサポートする。また、2035年までに完全電化を目指して、自社の小型車両にもEVのみを購入する予定だ。
Con Edison社によると、ニューヨークの二酸化炭素排出量の最大の原因は建物だという。同社は、ガスシステムの再構築の一環として、2030年までに15万棟以上の建物の脱炭素化を実現するため、数十億ドルの投資を計画しており、電力化が困難な建物に対しては、低炭素燃料のポートフォリオを開発するとしている。
また気候変動への耐性を高めるために、コロンビア大学をはじめとする関係者と協力して気候変動リスクの評価を行っている。同社が2030年までにさらなる気候変動対策に投資すると見込んでいる20億ドルは、架空送電線の選択的な地中化など、さまざまなアプローチをカバーしている。また、顧客、規制当局、政策立案者、その他のステークホルダーとの連携を深めることも目指している。
【参照ページ】
(原文)Con Edison Expands Clean Energy Commitment On Path to Net-Zero Emissions
(日本語訳)Con Ed、2040年までに100%クリーンな電力を供給