MSCI、ウェブサイト上で投資家向けに「Implied Temperature Riseツール」への無料アクセスを提供

 

投資家に特化した意思決定支援ツールやサービスを提供するMSCIは、2,900社以上の企業を対象としたImplied Temperature Riseソリューションへのアクセスをウェブサイト上で提供し、上場企業の世界的な気候目標との整合性に関する情報を投資家に提供することを発表した。

MSCIのESGおよび気候のグローバルヘッドであるRemy Briandは、次のように述べている。

「MSCIでは、ESGと気候に関する指標の透明性を高め、一貫した基準を設ける必要性を強く主張しています。Implied Temperature Riseデータの公開は、2019年にMSCIがESGレーティングを公開した際に始めた透明性向上の取り組みの延長線上にあります。」

今年9月に発表されたImplied Temperatureツールは、企業の現在および予測される温室効果ガスの排出量を、各企業の排出削減目標を考慮した地球の気温上昇の推定値に変換するものだ。

MSCI ACWIインベスタブル・マーケット・インデックスに基づく約10,000社の上場企業を対象としたこのソリューションは、予測される排出量を、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の2℃目標やパリ協定の1.5℃への温暖化抑制目標などの世界的な気候目標を達成するために必要な世界の炭素収支と比較することで、企業の気候へのコミットメントの強さを評価する。

【参照ページ】MSCI makes Implied Temperature Rise data of over 2,900 companies publicly available

関連記事

おすすめ記事

  1. TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    2025-7-10

    TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    ※本記事は2024年10月の内容にGX-ETSに関する内容を追記し再掲載している。(2025年7月…
  2. TNFD開示を支援する 主要ツール比較と選定ポイント

    2025-6-11

    TNFD開示を支援する 主要ツール比較と選定ポイント

    2024年にTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース(Taskforce on Nature-…
  3. 進化するサステナビリティ開示 ― 傾向から考える“自社の対応状況”

    2025-6-6

    進化するサステナビリティ開示 ― 傾向から考える“自社の対応状況”

    サステナビリティ情報開示の高度化が急速に進んでいる。TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)…

ピックアップ記事

  1. SSBJ(気候関連開示基準)とGX-ETSの共通点とは?~比較解説と実務効率化~

    2025-8-14

    SSBJ(気候関連開示基準)とGX-ETSの共通点とは?~比較解説と実務効率化~

    日本企業にとって、2026年から「気候変動対応・開示」は、企業価値を左右する重要な経営課題になるで…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 2025-8-11

    バークレイズ、サステナブルファイナンスで累計2,200億ドルを達成

    7月29日、英国大手銀行バークレイズは、2025年上半期のサステナビリティ投資家向けプレゼンテーシ…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る