欧州委、電化推進行動計画とEU ETS改革案を公表 競争力強化と産業脱炭素を加速

7月17日、欧州委員会は、欧州の競争力強化、脱炭素化、エネルギー自立の実現に向け、「電化推進行動計画(Electrification Action Plan)」とEU排出量取引制度(EU ETS)の見直し案を発表した。
EUでは現在、電力の約70%が域内のクリーンエネルギー由来である一方、最終エネルギー需要に占める電化率は過去10年間23%にとどまる。欧州委員会は2040年までに電化率46%を目標として検討を進め、この水準に達すれば化石燃料輸入額を年間2,600億ユーロ削減できるとしている。
EU ETS改革案では、2031~2035年の線形削減率(LRF)を3.7%、2036~2040年を1.7%とし、排出削減の進行を段階的に調整する。また、2036~2040年には最大2%の高品質な国際クレジットの活用を認める。産業脱炭素化銀行には1,000億ユーロを充て、2030年までにETS投資促進策やイノベーション基金などを通じて1000億ユーロ超の投資を見込む。加盟国にはETS収入の50%を対象分野の脱炭素投資へ充当することを求める。
さらに、恒久的炭素除去のEU ETSへの組み込み、市場安定化準備金(MSR)の改革、航空・海運分野の制度強化、ごみ焼却分野への適用拡大も提案した。CBAM対象産業では無償排出枠の段階的廃止期限を2038年まで延長する。
電化推進行動計画では、電力と化石燃料の価格差縮小、ヒートポンプ、電気自動車、蓄電池の普及促進、送電網整備の加速、スマートメーター導入促進などを柱とする。加盟国が送電料金やエネルギー多消費産業への課税を見直せるようにするほか、建築、運輸、産業分野での初期投資負担軽減策も盛り込んだ。
日本語参考訳:欧州委員会は、電化行動計画と排出量取引制度の見直しにより、欧州の競争力、脱炭素化、独立性を強化する。
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