金融庁、ESRS改訂案に意見表明──ISSBとの相互運用性を提案

5月15日、金融庁は、「改訂版欧州サステナビリティ報告基準(ESRS)委任規則案(5月6日公表)」に対し、域外(日本)企業の開示負担への配慮を求めるコメントレターを公表した。
同書のポイントは、EU域外企業向けに策定が進むN-ESRS(Non-EU European Sustainability Reporting Standards)案を対象としている点にある。金融庁は、日本企業が日本国内ではISSB/SSBJ基準ベースの開示を進める一方、EU向けには別途N-ESRS対応を求められる構造となれば「2種類のサステナビリティ報告書を作成することになる」と示した。

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また、金融庁は、気候関連開示(N-ESRS E1)についてISSB基準との整合があるとして、ISSB基準ベース開示を参照引用(incorporation by reference)として活用可能にすべきと提案している。これは、SSBJ基準開示をベースにEU追加要求のみを補完する「トップアップ方式」に近い考え方であり、日本企業の実務負担軽減を狙ったと言える。

加えて、金融庁は、域外企業が「グローバル連結ベース」で開示するか、より限定的な範囲で開示するかを選択できる「mixed approach」の導入も要望した。現行案では、域外企業に対して連結対象・バリューチェーン全体を対象とした開示が求められる可能性がある。

2028年からは一定規模以上の域外(日本)企業にもCSRD適用が始まる見込みであり、今後のN-ESRS最終化において、EUがISSBベース開示との相互運用性をどこまで認めるかが、日本企業の開示実務に大きな影響を与えそうだ。

原文:欧州委員会(EC)による「改訂版欧州サステナビリティ報告基準(ESRS)委任規則案」へのコメントレター発出について


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