グーグル、再森林化支援 10年で13万トンの炭素除去契約

3月30日、自然由来の炭素除去事業を手がける米リビング・カーボンは企業連合「シンビオシス・コアリション」を通じて、グーグル、マッキンゼー、メタの3社と長期の炭素除去オフテイク(購入)契約を締結したと発表した。3社は今後10年間で合計13万1240トンの二酸化炭素(CO₂)除去を契約し、米アパラチア地域の旧鉱山跡地や劣化した農地での大規模な再森林化を支援する。

今回の契約は、シンビオシスが実施した初の共同提案募集(RFP)で選ばれた案件の第2弾となる。同枠組みは再森林化やアグロフォレストリー(森林農法)を対象に、10年間で50万トン超の炭素除去を見込むプロジェクトの創出を目指している。企業側が長期の購入を約束することで、開発事業者が資金を確保しやすくし、市場拡大を後押しする狙いがある。

米国では、採掘終了後に放置された旧鉱山跡地が約160万エーカーにのぼり、土壌の劣化や重金属汚染、外来種の繁殖などによって自然再生が進んでいない。とりわけ中部アパラチア地域では、長年の石炭採掘の影響が色濃く残る。また、国内には約3000万エーカーの放棄農地が存在し、再森林化による活用余地があるとされる。

リビング・カーボンは、こうした荒廃地に在来種の広葉樹や松を植林し、入念な土地整備や外来種対策を組み合わせることで、自然再生を促しながら測定可能で追加的な炭素除去を実現する計画だ。炭素吸収に加え、土壌や水質の改善、生物多様性の回復といった環境面での効果も見込む。さらに、土地所有者にリース収入を提供し、地元住民の雇用創出にもつなげるなど、地域経済の活性化も図る。

シンビオシスのジュリア・ストロング事務局長は、今回のプロジェクトについて「科学的な厳密さと着実な実行力を備えており、地域社会や生態系の実情に即した拡張性のある取り組みだ」と評価した。リビング・カーボンのマディ・ホール最高経営責任者(CEO)は「複数年契約は、高品質で永続的な炭素除去を拡大するための確実性をもたらす。旧鉱山跡地などの環境負債を、価値ある炭素吸収源へと転換していきたい」と述べた。

シンビオシスは2024年に発足し、グーグル、メタ、マイクロソフト、セールスフォースが創設メンバーとして参加。2030年までに2000万トン超の高品質な自然由来炭素除去クレジットの契約を目標に掲げる。今回の取り組みは、自然を活用した炭素除去市場の拡大に向けた具体的な一歩となる。

原文:Living Carbon Announces New Carbon Offtake Agreements with Symbiosis
日本語参考訳:Living Carbon社、Symbiosis社との新たな炭素排出権契約を発表


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