Deutsche Telekom AG、自社事業でグループ全体の気候中立を達成

2月24日、ドイツの通信大手ドイツ・テレコムは自社事業におけるグループ全体での気候中立(ネットゼロ)を達成したと発表した。対象となるのは、自社が直接排出する温室効果ガス(Scope1)および購入電力などに伴う間接排出(Scope2)で、ドイツ株価指数DAX40構成企業としては初の達成となる。
同社は2017年を基準年として排出削減を進めてきた結果、世界全体で温室効果ガス排出量を94%以上削減した。削減量は累計約2,800万トンのCO₂に上り、これはドイツ国内の森林面積の約40%が1年間に吸収する量に相当するという。残る約6%については、高品質なCO₂除去プロジェクトを通じて相殺し、バランスシート上での温室効果ガス排出を実質ゼロとした。
排出削減の主な原動力となったのは、再生可能エネルギーの導入とエネルギー効率化への大規模投資である。同社は長期の電力購入契約(PPA)を締結し、新たな太陽光・風力発電所の建設を支援してきたほか、複数拠点に大規模バッテリーを設置して電力網の安定化と再生可能エネルギーの有効活用を図っている。さらに、ネットワークの高度制御や設備の近代化を進めることでエネルギー消費を抑制し、数百万ユーロ規模のコスト削減とCO₂削減を同時に実現した。社用車の電動化やオフィスビルの暖房設備の更新、スマート制御の導入なども排出削減に寄与している。
Tim Höttges最高経営責任者(CEO)は声明で「多くが気候保護を語るが、私たちは実行してきた」と強調し、「最良のネットワークであるだけでなく、最も気候にやさしいネットワークでもある。気候保護は経済的成功の重要な要素であり、私たちはより独立し、効率的で、結果としてより成功している」と述べた。実際、同社は気候目標の導入以降、株式市場での評価やブランド価値も大きく向上しているとしている。
同社は2019年、国際的枠組みであるScience Based Targets initiative(SBTi)の当時の基準に基づき、2025年までにScope1およびScope2の排出量を2017年比で90~95%削減する目標を掲げていた。今回の94%超の削減は、その上限にほぼ到達したことを意味する。残余排出の相殺は、英オックスフォード大学が策定したオックスフォード原則のカテゴリーIVおよびVに準拠するCO₂除去プロジェクトを通じて実施された。
さらに同社は、2030年までにサプライチェーンや製品使用段階を含むScope1~3全体で55%の排出削減を目指し、2040年までにバリューチェーン全体でのネットゼロ達成を掲げている。Robert Metzkeコーポレート責任部門長は「デジタル化は環境的・社会的責任と両立してこそ持続可能になる。地球の要請を基準に目標を設定し、パートナーとともに達成していく」と述べた。
今後は循環型経済の推進にも一層力を入れる方針で、独自に開発した「Telco Circularity Score」により、廃棄物削減やリサイクルの進捗を統合的に測定・管理していく。ドイツ・テレコムは、排出してから除去するのではなく、そもそも排出しない経営への転換を進めることで、気候保護と企業成長の両立をさらに加速させる構えだ。
(原文)Telekom achieves group-wide climate neutrality in its own operations
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