米国通商代表部、日本へ12.5%追加関税を提案、人権デューデリジェンスは新たな経営課題に

6月2日、米国通商代表部(USTR)は、強制労働によって生産された製品の輸入禁止措置に関する各国の対応状況を調査したSection 301調査の結果を公表した。日本を含む複数の国・地域からの「強制労働によって製造された商品の輸入」に対し、12.5%の追加関税を課す案であり、今後、意見募集や公聴会(7月7日)を経て最終判断が行われる予定である。
今回の調査では、日本を含む米国の主要貿易相手国・地域60か所が対象になっており、「自国において強制労働によって生産された製品の輸入を禁止する制度の導入および実効的な執行が行われているか」が検証された。USTRは、こうした対応の不足が米国の商業利益を損ない、米国企業や労働者に不利益を与えていると主張している。
本関税の追加措置自体は、提案段階にあるため、今後の動きには注意が必要だ。しかし、今回の提案により、日本においても企業のサプライチェーン上の人権デューデリジェンス(DD)の制度化や基準整備の必要性が改めて浮き彫りになった。
今後は、開示対応やレピュテーション管理に加え、「貿易政策や市場アクセス」にも影響を及ぼす可能性が示された。現状、日本では包括的な強制労働輸入禁止制度は整備されていないが、欧米を中心に人権規制が強化される中、企業には改めて人権DD体制の実効性が求められていると言える。
なお、仮に追加関税が導入された場合、日本企業にとっては対米輸出コストの上昇だけでなく、サプライチェーン上の人権デューデリジェンスや調達先管理の重要性がさらに高まることになるだろう。
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