英財務省、グリーンタクソノミー導入を断念 「より効果的な政策に集中」

7月15日、英国財務省は、サステナブルファイナンスの枠組みに関する意見募集(コンサルテーション)の結果を受け、グリーンタクソノミーの導入を見送る方針を正式に決定した。

今回のコンサルテーションは、2024年11月13日から2025年2月6日まで実施され、英国におけるグリーンタクソノミーの有効性と役割について幅広い意見を募った。その結果、導入は気候変動対策に資する投資促進やグリーンウォッシング防止に一定の効果がある一方で、実務面での複雑さや優先度の低さを指摘する声が多数寄せられた。

財務省は、英国の「クリーンエネルギー」と「成長ミッション」、および環境目標の達成に引き続き注力する姿勢を強調した。また、今回の結果を受けてグリーンタクソノミーよりも、投資の促進に直接的な影響を持つとされる他の政策や計画を優先的に推進する。

今回の最終報告書では、意見募集で得られた主なフィードバックと、導入見送りの判断理由について詳細に説明されている。

英国は引き続き、サステナビリティ分野における国際的なリーダーシップの維持と、国内外でのクリーンエネルギー移行の推進を目指すとしている。

(原文)UK Green Taxonomy
(日本語参考訳)英国グリーンタクソノミー

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成している。今後の動向により内容は随時更新される…

ピックアップ記事

  1. ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    2025-9-15

    ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    ※本記事は、ESG Journal編集部が注目のニュースを取り上げ、独自の視点で考察しています。 …
  2. 2025-9-12

    ISOとGHGプロトコル、温室効果ガス基準を統合へ 世界共通言語の構築目指す

    9月9日、ISO(国際標準化機構)とGHGプロトコルが、既存のGHG基準を統合し、新たな排出量算定…
  3. 2025-9-12

    カリフォルニア州、気候関連財務リスク報告の指針を公表

    9月2日、カリフォルニア大気資源局(CARB)は「気候関連財務リスク開示ドラフト・チェックリスト」…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る