
6月16日、KKRはオーストラリアの独立系発電事業会社ゼニス・エナジーを、Pacific Equity Partners、OPTrust、Foresight Groupから買収することで最終合意したと発表した。ゼニスは、遠隔地の鉱山などオフグリッド地域向けにハイブリッド電力を供給しており、現在約15拠点で710MW超の容量を長期契約で提供している。今回の買収により、KKRはアジア太平洋地域のインフラ投資と再生可能エネルギー戦略を一層強化する。
ゼニスは資源産業の脱炭素化を背景に、再生可能電力とディーゼルを組み合わせた高効率の電力供給で存在感を高めてきた。CEOヘイミッシュ・モファットは「KKRの投資で、大規模プロジェクトへの対応力を高め、鉱山分野の電力ソリューションをさらに拡充できる」と述べた。また、同社は最近、19億豪ドル規模の資金調達を完了しており、その一部にはグリーンローンも含まれる。これにより、今後のプロジェクト開発に必要な成長資金を十分に確保した形だ。
KKRは今回の投資をアジア太平洋インフラ投資ファンドIIから実施する予定で、豪州のSpark InfrastructureやインドのVirescent Renewable Energy Trustなど、地域内での再生可能エネルギー投資実績を積み重ねている。取引の完了は2025年末を予定しており、規制当局の承認を経て、ゼニスのさらなる成長とオーストラリア資源セクターの持続可能なエネルギー供給を後押しする見通しだ。
(原文)KKR Acquires Leading Australian Independent Power Producer Zenith Energy