
6月、米証券取引所ナスダックは、炭素除去(CDR)分野の専門組織AirMiners(エアマイナーズ)と共同で、オンライン講座「ナスダック・カーボンアカデミー」を開設したと発表した。企業のサステナビリティ担当者らが、複雑化する炭素市場への理解を深め、炭素クレジットを自社の排出削減戦略に効果的に組み込むことを支援するのが目的。
このアカデミーは、オンラインの自習形式で提供される。炭素除去の基礎から応用、主要な技術、市場の動向、質の高い炭素クレジットのポートフォリオ構築、さらには戦略実行に向けた社内合意の形成方法まで、5つの対話型モジュールで網羅的に学ぶことができる。講座はナスダックのウェブサイト上で誰でも受講可能となる。
ナスダックで欧州商品戦略責任者を務めるフレドリック・エクストローム氏は、「この教育ツールの立ち上げにより、炭素市場に関する認知と教育を強化したい。アカデミーは基礎から応用まで、わかりやすい形式で包括的な情報を提供する」と述べた。
共同開発したAirMinersのティト・ヤンコフスキーCEOは、「サステナビリティ担当のリーダーたちが、二酸化炭素除去について確信を持って取り組めるようにこの講座を構築した。次世代のリーダーたちが目標達成に向けて行動を起こす一助となることを期待している」と語った。
近年、企業の気候変動対策として炭素クレジットの活用が注目される一方、その品質や有効性を見極める専門知識の必要性が高まっている。ナスダックは、市場運営者としての知見を活かし、企業の脱炭素化に向けた取り組みを後押しする考えだ。
(原文)Nasdaq launches Nasdaq Carbon Academy in collaboration with AirMiners