
5月21日、ダンスケ銀行は気候変動への対応を強化すべく、移行金融の枠組みを刷新したと発表した。従来のグリーンボンドやサステナビリティ・リンク・ローンに加え、排出量の多い業種(電力、鉄鋼、セメント、輸送など)や、再エネ・蓄電・低炭素輸送など移行を支えるバリューチェーン企業を対象に、企業単位での移行計画を評価し資金を提供する。
サステナビリティ金融部門責任者サム・スロッテ氏は、「プロジェクト単位ではなく、企業全体の戦略と実行力を長期的に支援することが、真のサステナビリティ移行を促す鍵だ」と述べた。新戦略では、脱炭素の進捗度に応じて企業を分類し(完了・進行中・初期・遅延)、リスク評価を通じて資金支援の可否を判断する独自手法を導入する。
また、大企業向け部門責任者ヨアキム・アルペン氏は、「顧客が信頼性のある長期戦略を掲げるなら、銀行も短期的課題の克服を支える責任がある」と語る。多くの企業はネットゼロを目指す一方、競争力の一時的低下というリスクにも直面しており、今回の枠組みはその現実に即した支援体制を意図している。
この新たな金融方針は、同行の「Climate Action Plan」と整合し、化石燃料探査・生産企業への資金供給停止方針も引き続き維持される。また、DNV(国際的認証機関)は、この方針を「脱炭素支援における画期的転換」と評価している。
(原文)Danske Bank expands its tool box for financing the climate transition
(日本語参考訳)ダンスケ銀行、気候変動移行のための資金調達ツールを拡充