8月21日、フォード・モーター・カンパニーは、電気自動車(EV)の選択肢を拡充し、資本効率の高い収益性のあるEV事業を目指す新たな戦略を発表した。この戦略により、顧客により多くの電動化オプションを提供するとともに、長期的なCO2排出量の大幅削減を目指している。
フォードは、次世代の電動化デジタル先進車の開発において、商用バン、中型および大型のピックアップトラック、長距離SUVといった競争優位性のある分野に焦点を当てる計画である。これにより、低価格かつ長距離走行が可能なEVを提供し、顧客獲得を加速する。2026年に新しい商用バンをオハイオ州で生産開始し、2027年には2台の新型ピックアップトラックを投入する予定だ。
また、フォードは、新たに設立されたカリフォルニアのチームを通じて、次世代車両の開発アプローチを根本的に見直し、EVのコスト曲線を大幅に改善することを目指している。この新しいプラットフォームからは、2027年にミッドサイズの電動ピックアップトラックが登場予定で、顧客に長い走行距離と利便性を提供することが期待される。
さらに、米国内でのバッテリー調達計画を再編し、コスト削減と容量の最大活用を図ることで、電動車両の製造効率を高めることを目指している。2025年には、マスタング・マッハEのバッテリー生産をポーランドからミシガン州ホランドに移す計画であり、ケンタッキー工場でのセル製造がE-トランジットとF-150ライトニング向けに2025年半ばから開始される予定だ。
また、2026年には、ミシガン州ブルーオーバルバッテリーパークでリチウム鉄リン酸塩(LFP)バッテリーの生産を開始し、インフレ抑制法(IRA)の恩恵を受け、低コストなバッテリーセルを北米市場に提供する計画だ。
フォードは、次世代電動トラック「プロジェクトT3」の発売を2027年後半に再調整する。このトラックは、F-150ライトニングの顧客からのフィードバックを基に設計され、双方向充電機能や高度な空力性能など、これまでのフォードトラックにはない新機能を搭載する。
また、バッテリーコストが依然として課題であるため、商用用途や大型車両向けにハイブリッド技術を活用した3列シートSUVを開発する計画も進めている。次世代Fシリーズスーパーデューティピックアップも、さまざまな推進オプションを提供し、顧客に多様な選択肢を提供する。