2月29日、国際的なカーボンオフセット基準管理団体米ゴールド・スタンダードは、気候変動適応プロジェクト向けの「気候適応要求基準」を改訂したと発表した。
気候適応要求基準は、気候変動リスクを十分に考慮するための、科学的根拠に基づく包括的な枠組みを提供する。プロジェクト開発者や投資家は、投資のサステナビリティと収益性を強化する機会と財務的脆弱性を明確に把握することができ、各国政府は、適応計画を具体的な投資計画に反映させることができる。
本基準は最近、米国ピッツバーグとガラパゴス諸島のプロジェクトで試験的に導入された。
ピッツバーグでは、市内の緑道の修復と拡張プロジェクトにおいて、本基準を使って主要なリスク(地滑り、外来種、病気など)を特定し、適応策をプロジェクト設計に組み込んだ。その結果、効果的な管理が豪雨後の土砂崩れを防ぐ強力な手段となり、こうした気候災害のリスクにさらされている低所得者層の損失や被害を回避できることが示された。ガラパゴスでは、病原体や外来種、より短く激しい雨季の影響を受けるエコツーリズム・リゾートがプロジェクト対象となった。
本基準は、インフラや設計計画へのリスク削減戦略の優先順位付けを支援し、回復力のある農法に関するトレーニングのためのインプットを提供し、ツアー運営に生物多様性保全を組み込むことを提案した。提案された適応策は、食料と水不足のリスクに対するリゾートの脆弱性を軽減し、気象パターンの変化により増加すると予想される過剰降雨に耐えるインフラ能力を強化することを目的としている。これらの対策は、この地を訪れる観光客の主な魅力である生物多様性と食料供給を保護することで、全体的な投資価値が維持されることを保証する。
【参照ページ】
(原文)Gold Standard’s Pilot Adaptation Framework Updated
(日本語参考訳)ゴールドスタンダード、気候適応要求基準を改訂