気候債券市場、2023年末に45兆円を突破

1月29日、国際グリーンボンド基準策定NGOである気候債券イニシアティブ(CBI)は、2023年末までに気候債券基準(CBS)認証を取得したサステナブルボンド・ローン(ESG債・ローン)が累計で3,000億米ドル(約45兆円)を突破したことを発表した。

CBIは2023年4月にCBSの体系を大幅改訂し、第4版を発行した。改訂では、アセットクラスの対象を債券から、融資も含めたデット一般に拡大した。また、資金使途債だけでなく、サステナビリティ・リンクボンドやリンクローンも対象とした。

CBS認証は、52カ国294発行体が発行した債券や融資が認証を取得しており、国債や公債でも取得が拡大している。さらに、セクター毎の基準も新規リリースされ、対象セクターも広がっている。

セクター別のCBS認証取得額では、交通セクターが1,159億米ドル(約17兆円)で最も多く、次いでエネルギーが637億米ドル(約9兆円)、不動産が426億米ドル(約6兆円)、水が60億米ドル(約9,011億円)、その他が765億米ドル(約11兆円)である。発行額上位には、オランダやチリの中央政府のほか、ソシエテ・デ・グラン・プロジェ、鉄道建設・運輸施設整備支援機構(JRTT)、ニューヨーク都市交通局(NY MTA)、SNCF、フォルクスワーゲン、中国開発銀行などが含まれている。

【参照ページ】
(原文)Climate Bonds Certification surges past USD300bn milestone in 2023: driving green finance forward

関連記事

“イベントへのリンク"

おすすめ記事

  1. 2024-4-16

    SSBJ公開草案の重要ポイント解説:今後の気候変動の情報開示はどう動くか

    2024年3月29日、サステナビリティ基準委員会(SSBJ)が国内のサステナビリティ開示基準の草案…
  2. 2024-4-9

    SBTN(Science-Based Targets for Nature)とは。企業のネイチャーポジティブ経営を実現する目標設定の方法論を解説。

    TNFDのフレームワークが公開され、先進企業ではフレームワークに基づく情報開示が進みつつある(20…
  3. 2024-4-2

    【さくっと読める】TNFDの開示とは。重要ポイントを抽出。

    2023年9月、TNFDのフレームワークが完成し公開された。2023年時点でTNFDに基づく開示を…

ピックアップ記事

  1. 2024-5-8

    IBM、ESGデータプラットフォームにCSRD対応機能を追加

    4月30日、IBMは、ESGデータの収集、分析、報告プ​​ラットフォーム「IBM Envizi」の…
  2. 2024-5-8

    IFRS、EFRAG、ISSB/CSRD報告基準に双方に対応する企業向けガイダンスを発行

    5月2日、IFRS財団と欧州財務報告諮問グループ(EFRAG)は、ESRS-ISSB基準の相互に共…
  3. 2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
ページ上部へ戻る