1月30日、川崎重工は、水素流通を一元管理し、国内外の水素取引を支援するデジタル管理システム「水素プラットフォーム」の実証実験を4月から開始すると発表した。
同社は、水素事業者や水素利用者に向け、製造源やGHG排出量などの水素属性や取引に関するデータ、情報等を効率的に一元管理することにより、低炭素水素のトレーサビリティを確保するとともに、複雑な水素流通を見える化し、水素取引を円滑化できるプラットフォームの構築とサービス提供を行う。
水素サプライチェーンの運用においては、製造源の多様化や国際間輸送が含まれるなど水素流通が地理的・時間的に広範囲となり、関わるプレイヤーも多岐にわたることから、製造源や流通経路、各段階でのCO2等のGHG排出量など属性情報の管理が複雑化する。そのため、製造から利用に至るまでのサプライチェーン全体の水素流通をデジタル管理して「見える化」することで、水素をトレースできる仕組みが不可欠となる。
現在、本プラットフォームの基本設計が完了しており、提供サービスの有効性を検証するため、大林組が取り組む「大分県九重町 地熱由来水素利活用事業」を対象に、4月から実証試験を開始する。2025年中に設計・開発を完了し、顧客評価を経たうえで、2028年頃の商用化を目指す。