1月22日、アブダビ国営石油会社(ADNOC)は、排出削減への投資計画を大幅に増額し、脱炭素プロジェクトや技術、低炭素ソリューションへの割り当てを、2030年までの従来の目標150億ドル(約2兆円)から230億ドル(約3兆円)に拡大すると発表した。
ADNOC取締役会の年次総会で決定されたこの配分増は、同社が昨年発表した、2050年までの目標に比べ、2045年までに操業時の排出量をネット・ゼロにする目標の前倒しや、2030年までにメタン排出量をゼロにするコミットメントに続くものである。また、2030年までに温室効果ガス原単位を25%削減するという目標も掲げている。
排出削減目標を達成するために同社が強調した対策には、2030年までに1,000万本のマングローブを植林する計画を含む自然ベースの解決策に加え、陸上送電網の電力需要の100%をクリーンエネルギーで賄うことや、ADNOCがオフショアの二酸化炭素排出量を最大50%削減できると述べた38億ドル(約5,616億円)を投じたオフショア事業を送電網に接続することなどが含まれる。
ADNOCは昨年の年次総会で、当初の150億ドル(約1兆円)の割り当てを発表し、クリーン電力、炭素回収・貯留(CCS)、事業の電化、エネルギー効率、日常的なガスのフレアリングをゼロにするという方針を支援する措置などの分野に投資する計画を概説した。
ADNOC は、今回の割当増額により、国内および国際的な炭素管理プラットフォームを成長させ、 会社および顧客の脱炭素化を支援する計画であると述べた。ADNOCは今月初め、初の国際的な炭素管理株式投資を発表し、英国を拠点とする炭素回収・貯留プロジェクト開発会社Storeggaの株式10%を取得した。同社は、2030年までに炭素回収・貯留(CCS)能力を年産1,000万トン(mtpa)に倍増させるという野望を掲げている。
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(原文)UAE’s ADNOC boosts lower-carbon budget to $23 bil