米財務省と内国歳入庁(IRS)がクリーン水素製造減税措置のルール案を発表

米財務省と内国歳入庁(IRS)がクリーン水素製造減税措置のルール案を発表

12月22日、米財務省と内国歳入庁(IRS)がインフレ抑制法(IRA)に基づくクリーン水素製造減税のルール案を公表した。本案に基づき、水素製造プロセスの二酸化炭素排出率に応じて段階的な控除が行われる。既に発表されていた労働基準を満たす水素製造施設に対しては、水素製造のライフサイクル排出量に応じて最低0.60米ドルから最高3米ドルまでの減税が適用される。

ライフサイクル排出量の算定には、「45VH2-GREETモデル」が使用され、第三者検証も義務付けられる。モデルでカバーできない製法や原料の場合は、財務長官に類似の暫定排出率を申請することが可能である。

再生可能エネルギー等のグリーン水素の生産に関しては、電源証明(EAC)を用いた場合に3つの条件が課される。これには追加性、地理的相関性、および時間的相関性(同時性)が含まれる。さらに、再生可能天然ガスを使用したガス改質での水素生産についても、再生可能天然ガス(RNG)と逃散性メタンを利用した水素製造経路を追加的に適格とする規則が最終化される予定で、パブリックコメントが求められている。

【参照ページ】
(原文)U.S. Department of the Treasury, IRS Release Guidance on Hydrogen Production Credit to Drive American Innovation and Strengthen Energy Security
(日本語参考訳)米国財務省とIRS、米国のイノベーションを促進しエネルギー安全保障を強化するための水素製造クレジットに関するガイダンスを発表

関連記事

“導入事例へのリンク"

おすすめ記事

  1. 2024-4-16

    SSBJ公開草案の重要ポイント解説:今後の気候変動の情報開示はどう動くか

    2024年3月29日、サステナビリティ基準委員会(SSBJ)が国内のサステナビリティ開示基準の草案…
  2. 2024-4-9

    SBTN(Science-Based Targets for Nature)とは。企業のネイチャーポジティブ経営を実現する目標設定の方法論を解説。

    TNFDのフレームワークが公開され、先進企業ではフレームワークに基づく情報開示が進みつつある(20…
  3. 2024-4-2

    【さくっと読める】TNFDの開示とは。重要ポイントを抽出。

    2023年9月、TNFDのフレームワークが完成し公開された。2023年時点でTNFDに基づく開示を…

ピックアップ記事

  1. 2024-5-8

    IBM、ESGデータプラットフォームにCSRD対応機能を追加

    4月30日、IBMは、ESGデータの収集、分析、報告プ​​ラットフォーム「IBM Envizi」の…
  2. 2024-5-8

    IFRS、EFRAG、ISSB/CSRD報告基準に双方に対応する企業向けガイダンスを発行

    5月2日、IFRS財団と欧州財務報告諮問グループ(EFRAG)は、ESRS-ISSB基準の相互に共…
  3. 2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
ページ上部へ戻る