11月16日、英国の金融サービス企業および金融市場の行為監督機関である金融行為監督機構(FCA)は、ESGおよび持続可能な投資ファンドの設計と開示に関する規制要件へのファンド・マネージャーの準拠に関するレビュー結果を発表した。
FCAによるレビューは、規制当局がサステナビリティ開示要件(SDR)と投資ラベル制度に関する最終規則とガイダンスを公表するのに先立って行われた。SDRは、英国を国際的なグリーン・ファイナンスの中心地として確立し、金融セクターと資本フローを世界的・国内的な気候・環境目標の達成と整合させることを目的とした、英国のグリーン・ファイナンス戦略の主要部分を形成している。
本開示・表示規則は、共通の基準、明確な用語、商品分類を通じて透明性を向上させ、投資家が急速に拡大・増殖するサステナブル投資の状況をナビゲートし、グリーンウォッシュのリスクを軽減することを目的としている。
本規則が施行されれば、資産運用会社は、サステナビリティのリスク・機会・影響の管理について開示し、提供する投資商品やポートフォリオのサステナビリティ属性について報告することが義務付けられる。FCAはまた、投資商品のサステナビリティ特性に関する情報を表示する投資ラベリング制度の導入にも取り組んでいる。
レビューの結果、ファンド・マネジャーは、適切なESG及びサステナビリティのスコアリング・システムやベンチマークの開発及び利用、並びに第三者データ・プロバイダーについて徹底的なデュー・ディリジェンスを行っている優良事例などの分野において、期待に応えるべく前進していることが分かった。
しかしながら、FCAは、レビューの結果、更なる進展が必要であることが明らかになったと述べている。不十分とされた分野には、ファンドの名称にESGやサステナビリティの目標が記載されていても、その目標との整合性が取れていない商品や、ファンドのESGやサステナビリティの目標と整合性が取れていないと思われるファンドの保有、説明されなかったり開示に含まれないことが多い主要なESG情報、期待に沿わないスチュワードシップ・アプローチの設計などがあった。
【参照ページ】
(原文)FCA finds further work required to fully embed ‘Guiding Principles’ for ESG and sustainable investment funds
(日本語参考訳)FCA調査、投資商品が表明されたESG目標と一致していないことを明らかに