オーストリア航空、カーボンニュートラル・フライトの主張に関するグリーンウォッシュ事件で有罪判決
10月2日、オーストリアの裁判所は、オーストリア航空AGが2022年、100%持続可能な航空燃料(SAF)を使用したCO2ニュートラル・フライト(ウィーン-ベネチア間)を提供する広告を掲載し、国民を欺いたとの判決を下した。
本グリーンウォッシング事件は、オーストリアの消費者情報協会(VKI)によって提訴された。判決は、航空会社に対し、この件に関する情報をソーシャルメディア上で公開するよう命じた。
SAFは、現在世界の温室効果ガス(GHG)排出量の2〜3%を占める航空業界の脱炭素化を支援する重要な手段のひとつと考えられている。SAFは一般に、廃油や農業残渣などの持続可能な資源から製造され、現行の化石ベースのジェット燃料に比べて排出量を大幅に削減できる。しかし、国際エネルギー機関(IEA)によれば、現在、SAFは航空燃料の0.1%程度に過ぎない。
判決によると、オーストリア航空は、”Fly CO2-neutral with us”や “100%SAF”といった宣伝文句で虚偽の印象を与えた。 本キャンペーンは、ウィーンとベネチアを結ぶ便で実施され、消費者はCO2ニュートラル・オプションのために航空券価格の50%を超える追加料金を支払うことができ、航空会社はSAFを購入し、将来のフライトに追加することができた。
VKIは苦情の中で、SAFの比率は最大でも実際には5%であり、100%SAFのフライトを運航することは現在不可能であると指摘した。
オーストリア航空はルフトハンザドイツ航空の子会社であり、ルフトハンザドイツ航空は今年初めにもグリーンウォッシングによって消費者を欺いたことが発覚している。
さらに、欧州消費者団体BEUCは、オーストリア航空を含むEUの航空会社17社に対し、気候関連の誤解を招くような主張があったとして提訴している。
【参照ページ】
(原文)Court Finds Austrian Airlines Guilty Of Greenwashing
(日本語参考訳)オーストリア航空、カーボンニュートラル・フライトの主張に関するグリーンウォッシュ事件で有罪判決