8月17日、米国環境保護庁(EPA)は、気候変動の緩和、パーフルオロアルキル物質(PFAS)およびポリフルオロアルキル物質(PFAS)汚染への対応、発ガン性のある石炭灰からの地域社会の保護を初めて含む、2024 年から2027 年にかけての国家執行・遵守イニシアティブ(NECI)を発表した。不利な立場にある地域社会を保護するというバイデン政権の公約を推進するため、EPAは、環境正義への配慮を全米の各施行・遵守構想に統合する予定である。
EPAは、米国が直面する最も深刻で広範な環境問題に対処するため、EPAと各州が優先的に資源を投入できるように、4年毎にNECIを選定している。気候変動、PFAS汚染、石炭灰の取り組みに加え、地域社会における大気汚染に焦点を当てるため、大気浄化法の取り組みを修正し、前政権下で開始された飲料水および化学物質事故防止の取り組みを継続する。
2024年度から2027年度における取組の選定において、既存の取組を評価し新たな取組を検討するために、「特に過重な負担を強いられ不利な立場にある地域社会における、深刻かつ広範な環境問題や重大な不遵守に対処する必要性」「汚染者に責任を負わせ公平な競争条件を促進するために、連邦執行当局、資源、および専門知識が必要とされる分野」「気候危機への取り組みや環境正義の推進を含むEPAの広範な戦略計画との整合性」の3つの基準を用いた。
気候変動の緩和に関しては、GHG排出を削減し、気候変動による最悪の影響を抑制するために、石油・ガス施設からのメタン排出、埋立地からのメタン排出、ハイドロフルオロカーボン(HFC)の使用・輸入・生産に重点を置く。
PFASは、有毒で難分解性の化学物質であり、全米の大気、水、および土地に広範な汚染を引き起こしている。本取組みでは、EPAのPFAS戦略ロードマップの実施に重点を置き、PFASを製造および製造工程でPFASを使用した者、PFASを放出した連邦施設、およびPFASの環境中への放出に大きく寄与したその他の産業関係者の責任を追及する。
石炭燃焼残渣(CCR)としても呼ばれる石炭灰は、エネルギーのために石炭を燃やした廃棄物であり、水銀、カドミウム、クロム、ヒ素などの汚染物質を含んでいる。本取り組みでは、全米にある約775の石炭灰処理施設に焦点を当てる。
【参照ページ】
(原文)EPA Announces Federal Enforcement Priorities to Protect Communities from Pollution
(日本語訳)EPA、連邦執行優先事項を発表 気候変動緩和、PEAS汚染対策、石炭灰対策を追加