5月5日、オーストラリア政府は、国家的なネット・ゼロ局を法制化する予定を発表した。ネット・ゼロ局は、ネット・ゼロ・エミッションの達成に伴う秩序ある前向きな経済転換を促進する責任を負う。
ネット・ゼロ経済への世界的な変革は、オーストラリア、その地域、産業、労働者にとって、大きな経済的機会の源となる。新たに法制化されたネット・ゼロ局は、以下を実現する。
- ネット・ゼロへの転換が進む中、排出集約型部門の労働者が新たな雇用、スキル、サポートを受けられるよう支援する。
- 地域やコミュニティが新しいクリーンエネルギー産業を誘致し、活用できるよう、政府全体でプログラムや政策を調整し、それらの産業が成功するよう支援する。
- 投資家や企業がネット・ゼロ変換の機会に関与するのを支援する。
政府は、本年7月1日付で行政機関の設立を総督に勧告する予定である。当初は首相・内閣府に置かれるネット・ゼロ局は、法制化された国家ネット・ゼロ当局の最終設計と設立に関する政府への助言も行う。
ネット・ゼロ局は、州、準州、地方政府、既存の地域団体、労働組合、産業界、投資家、先住民グループと協力し、主要地域、産業、雇用主などがクリーンエネルギー経済への転換を積極的に管理できるよう支援する。
政府はまた、鉄道や航空などの既存産業とクリーンエネルギー新産業を支援するため、19億ドル(約2,587億円)のPowering the Regions Fundから追加資金を提供し、4億ドル(約544億円)のIndustrial Transformation Streamを創設する予定である。
現在、主要国のほとんどとオーストラリアの貿易相手国の大半を含む150カ国以上が、2050年までにネット・ゼロを達成することを約束している。再生可能エネルギーが最も安価な新エネルギーであることから、オーストラリアの産業に対する投資家の関心も、こうした流れに沿ったものとなっている。
【参照ページ】
(原文)NATIONAL NET ZERO AUTHORITY
(日本語訳)オーストラリア政府、ネット・ゼロ局を新設