1月10日、ニューヨーク州知事が2023年の州議会演説で発表した新しい「キャップ・アンド・インベスト」プログラムによると、ニューヨークの大規模な温室効果ガス(GHG)排出者および燃料販売業者は、年間10億ドル(約1,276億円)以上の支払いを求められ、その収益は排出削減イニシアティブおよびエネルギー価格の上昇に直面している脆弱なコミュニティへの支援に再投資されることになる。
本プログラムでは、GHGを大量に排出する企業や暖房・輸送用燃料を販売する企業は、経済全体の排出枠に基づき、その活動に伴う排出枠を購入することが義務づけられる予定である。上限は、州の気候法に沿った軌道で、毎年削減される。2019年に成立した同法は、ニューヨーク州に対し、経済全体の温室効果ガス排出量を2030年までに40%、2050年までに少なくとも85%(1990年基準)削減するよう求めている。
知事が発表した声明によると、本プログラムは、消費者、企業、その他の団体が低炭素の代替エネルギーに移行するインセンティブを与えるとともに、気候緩和、エネルギー効率、クリーン輸送、その他のプロジェクトを含む分野への投資を可能にし、また、本プログラムに伴う消費者コストの上昇を軽減するためにニューヨーカーにリベートを提供する資金にもなる。このプログラムにより、年間10億ドル(約1,276億円)以上の収益が期待されている。
収益の少なくとも35%は、大気の質を改善し、汚染をもたらす発電所への依存を減らし、家庭や学校を改修し、輸送システムを脱炭素化するプログラムへの資金提供を含む、不利な立場にあるコミュニティに直接利益をもたらすプログラムに割り当てられることになっている。
また、ニューヨークのキャップ・アンド・トレード制度は、全国的な炭素価格設定への動きを促進することを目的としており、現在または将来の他の制度に参加できるように設計されているとのことである。
【参照ページ】
(原文)Governor Hochul Unveils Cap-and-Invest Program to Reduce Greenhouse Gas Emissions and Combat Climate Change
(日本語参考訳)ニューヨーク州、排出事業者に年間約1,276億円を課し、排出削減のために再投資へ