12月21日、経済産業省と独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は、企業・組織のDX推進を人材のスキル面から支援するため、DXを推進する人材の役割や習得すべきスキルを定義した「DX推進スキル標準(DSS-P)」を新たに策定した。また、今年3月に公開した「DXリテラシー標準(DSS-L)」と合せて、個人の学習や企業の人材育成・採用の指針である「デジタルスキル標準(DSS)」ver.1.0として、取りまとめた。
デジタルトランスフォーメーション(DX)の重要性が高まる一方で、多くの日本企業は、DXの取組みに遅れをとっていると考えられる。その大きな要因のひとつとして、DXの素養や専門性を持った人材が不足していることが挙げられる。
そのような状況を踏まえ、「デジタル田園都市国家構想基本方針(令和4年6月7日閣議決定)」において「令和4年内にDX推進人材向けのデジタルスキル標準を整備する」と示された。これを受けて、経済産業省と独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は、令和4年6月にDX 推進人材向けのデジタルスキル標準を検討する有識者WGを設置し、専門家による検討・議論を重ねてきた。
「デジタルスキル標準」は、ビジネスパーソン全体がDXに関する基礎的な知識やスキル・マインドを身につけるための指針である「DXリテラシー標準」、及び、企業がDXを推進する専門性を持った人材を育成・採用するための指針である「DX推進スキル標準」の2種類で構成されている。
「DXリテラシー標準」は、働き手一人ひとりがDXに参画し、その成果を仕事や生活で役立てるうえで必要となるマインド・スタンスや知識・スキルを示す、学びの指針として策定した。「DX推進スキル標準」は、DXを推進する人材の役割や習得すべき知識・スキルを示し、それらを育成の仕組みに結び付けることで、リスキリングの促進、実践的な学びの場の創出、能力・スキルの見える化を実現するために策定した。
経済産業省によると、デジタルスキル標準の公表後は、関係省庁との連携の下で、様々な民間プレイヤーの関与を得ながら普及・活用に向けて取り組むとともに、ユーザーのフィードバックを得ながら、デジタルスキル標準の継続的な見直しを行っていくと述べている。
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