ドイツ政府、生物多様性世界フレームワークに約42億円を拠出

12月18日、国連生物多様性会議の参加者は、世界の陸と海の少なくとも30%を保護するという誓約を含む、2030年に向けた新たな世界目標、「昆明-モントリオール生物多様性世界フレームワーク」を採択した。コロンビア政府が主導し、ドイツ政府が発足を支援した。

同会議は、12月7日からカナダのモントリオールで開催されている。昆明は、2年前に会議が開催される予定だった中国の都市である。

23項目からなる本フレームワークでは、侵略的外来種の発生率を少なくとも50%削減することを求めている。また、遺伝情報の商業的利用による利益の公正な配分を確保するよう求めている。

富裕国と発展途上国の間で意見が分かれていた資金調達の問題については、官民で年間2000億ドル(約26.5兆円)以上の資金を保全活動に提供することを目標に掲げている。環境問題に取り組む途上国を支援する国際機関では、来年、生物多様性保全に特化した新たな基金を創設する。一方、企業には生物多様性への影響を監視し、データを開示する義務がなくなる。

2010年、国連は20項目からなる「生物多様性愛知目標」を採択した。しかし、そのどれもが2020年までに完全には達成されなかった。新目標は拘束力がないため、参加締約国の目標達成へのコミットメントが問われることになる。

今回の発表を受け、ドイツ連邦環境・自然保護・原子力安全・消費者保護省とドイツ連邦経済協力開発省とは、同パートナーシップに総額2,900万ユーロ(約42億円)の拠出を発表した。支援プログラムを早速開始すると表明した。

【参照ページ】
(原文)Germany and Colombia launch implementation initiative

関連記事

“イベントへのリンク"

おすすめ記事

  1. 2024-4-16

    SSBJ公開草案の重要ポイント解説:今後の気候変動の情報開示はどう動くか

    2024年3月29日、サステナビリティ基準委員会(SSBJ)が国内のサステナビリティ開示基準の草案…
  2. 2024-4-9

    SBTN(Science-Based Targets for Nature)とは。企業のネイチャーポジティブ経営を実現する目標設定の方法論を解説。

    TNFDのフレームワークが公開され、先進企業ではフレームワークに基づく情報開示が進みつつある(20…
  3. 2024-4-2

    【さくっと読める】TNFDの開示とは。重要ポイントを抽出。

    2023年9月、TNFDのフレームワークが完成し公開された。2023年時点でTNFDに基づく開示を…

ピックアップ記事

  1. アップルのサプライチェーンの95%、2030年までに100%再生可能エネルギー使用を約束

    2024-4-25

    アップルのサプライチェーンの95%、2030年までに100%再生可能エネルギー使用を約束

    4月17日、アップルは、バリューチェーンの脱炭素化という目標に向けて大きく前進していることを発表し…
  2. 2024-4-24

    ダウとP&G、プラスチック・リサイクル技術の共同開発契約を締結

    3月25日、 米国の化学世界大手であるダウと消費財業界大手のP&Gは、プラスチック・リサ…
  3. 2024-4-24

    住商グループとパートナー企業、太陽光発電パネルの再利用・リサイクル実証実験に着手

    3月28日、住友商事、三井住友ファイナンス&リース(SMFL)、SMFLみらいパートナーズ…

ページ上部へ戻る