CDP、企業の環境スコアを発表 18,000社以上の企業のうち、全カテゴリーでトップスコアを獲得したのは12社のみ

CDP、企業の環境スコアを発表 18,000社以上の企業のうち、全カテゴリーでトップスコアを獲得したのは12社のみ

12月13日、気候変動調査プロバイダーであり環境情報開示プラットフォームであるCDPは、2022年の企業スコアを発表した。CDPを通じて開示する企業リストは、今年18,700社以上と大幅に増加したが、すべての環境カテゴリーでトップパフォーマーに分類された企業は、昨年の14社を下回る12社にとどまった。

CDPは、気候変動、森林、水の安全保障という主要な環境カテゴリーについて企業を採点し、それぞれD-からAまでのランクを提供している。「D」は開示レベル、「C」は影響に対する認識、「B」は環境影響を管理するための行動をとっている企業、「A」はリーダーシップレベルを達成している企業を示している。

2022年に3つのカテゴリーでAレベルのスコアを獲得し、「トリプルA」を達成した企業は、バイヤスドルフ AG、ダノン 、フィルメニッヒ SA、HP、KAO Corporation、クラビン S/A、レンチング AG、ロレアル、LVMH、メッツァボード、フィリップモリスインターナショナル、UPM-キュンメンだった。

トリプルAスコアを獲得した企業は前年より減少したが、少なくとも1つのカテゴリーでAスコアを獲得した企業は、2021年の272社から今年は333社に増えた。

トップスコアが最も伸びたのは気候変動カテゴリーで、283社が「A」スコアを達成し、2021年比で34%増加した一方、森林カテゴリーでは25社が「A」スコアを達成し、前年比1社の増加にとどまった。「水の安全保障」でトップスコアを達成した企業は、2021年の118社から103社に減少した。

CDPによると、同団体は2022年に、1.5℃に対応した気候移行計画、森林破壊商品量の検証、水データの検証など、より厳しい基準で、各カテゴリーにおけるリーダー資格のハードルを引き上げたという。先月、CDPは、ISSBが現在開発中の環境開示プラットフォームに、2024年の開示サイクルからIFRSの新しい気候関連開示基準を取り入れると発表した。

【関連記事】CDP、ISSBの気候変動開示基準を統合へ

【参照ページ】
Far too many’ companies fail to disclose environmental data, CDP shows

関連記事

おすすめ記事

  1. TCFD×TNFD統合開示ガイド:いま企業が備えるべき実務対応とは?

    2025-8-20

    TCFD×TNFD統合開示ガイド:いま企業が備えるべき実務対応とは?(再掲)

    ※2025年5月28日公開済みの記事を一部更新し再掲している。 企業のサステナビリティ関連の…
  2. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成している。今後の動向により内容は随時更新される…
  3. TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    2025-7-10

    TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    ※本記事は2024年10月の内容にGX-ETSに関する内容を追記し再掲載している。(2025年7月…

ピックアップ記事

  1. サステナビリティ開示におけるタクソノミ導入と実務対応のポイント

    2025-8-22

    サステナビリティ開示におけるタクソノミ導入と実務対応のポイント

    2025年8月8日、金融庁は、「2027年版EDINETタクソノミの開発案」を公表した。これは、I…
  2. 2025-8-19

    PR【対談&ワークショップ】第一生命が語る「ESG開示」と「企業価値向上」

    毎回満員御礼でご好評をいただいているESG Journal 会員向けのESG Journal …
  3. 2025-8-18

    金融庁、EDINET新タクソノミ案公表 27年版ではサステナ情報開示も検討

    8月8日、金融庁は企業の有価証券報告書などで利用される電子開示システム「EDINET」の基盤となる…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る