10月25日、Air France-KLMグループは、サプライヤーであるNesteとDG Fuelsから160万トン、約20億リットルのサステナブル航空燃料(SAF)を調達した。
今回の契約により、Nesteは2023年から8年間、DG Fuelsは2027年から2036年の間に60万トンをAir France-KLMに供給する。
SAFは、従来のジェット燃料に比べて二酸化炭素排出量が大幅に少ないため、航空業界が気候変動への影響に対処するための重要な手段のひとつとして注目されている。
本発表は、Air France-KLMが今年初めに発表したCO2排出量削減戦略に続くもので、2030年までに乗客1人あたりのCO2排出量を30%削減し、2050年までに排出量を完全にゼロにすることを目標としている。新戦略では、2030年までに全フライトで10%、2050年までに63%のSAF利用を想定しており、これに加えて、航空機の更新、エコパイロット技術の利用、短距離移動のための複合輸送手段の開発などのアクションを予定している。
Air France-KLMのSAF調達方針では、人間の食物や動物飼料の供給と競合しないもの、RSBまたはISCC+の持続可能性認証を受けたもの、そしてパーム油に由来しないSAFの購入を義務付けている。
Nesteの「MYサステナブル航空燃料」は、使用済み食用油などの再生可能な廃棄物や残滓を100%原料としている。同燃料をそのまま使用した場合、化石燃料を使用した場合と比較して、ライフサイクルでの温室効果ガス排出量を最大80%削減できる。また、既存の航空機のエンジンや空港の燃料インフラで使用できるため、新たな投資は必要ない。Nesteは、来年末までにSAFの年間生産能力150万トンを達成する見込みであると述べている。
DG FuelsのSAFは、伐採で出た木材の切り落としなどのセルロース系廃棄物を利用しており、食糧供給を損なうことなく、基本的に水にも依存しない。また、燃料の製造は、風力や太陽光などの再生可能エネルギーを全面的に使用する。
【参照ページ】
(原文)Neste to supply the Air France-KLM Group with more than 1 million tons of Sustainable Aviation Fuel | Neste
(日本語訳)Neste がエール フランス-KLM グループに 100 万トン以上の持続可能な航空燃料を供給する