Apple、デバイスの電力供給による排出の影響に対処するため、クリーンエネルギーに投資

8月11日、Appleは、顧客がApple製品を充電する際に使用する電力が気候変動に与える影響に対処するため、オーストラリアで新たに再生可能エネルギーに投資すると発表した。本発表は、2030年までに事業全体・製造サプライチェーン・製品のライフサイクル全体でカーボンニュートラルを実現するという、Appleが2020年に掲げた目標の一環をなすものである。

Appleは2020年にカーボンニュートラルを達成し、より広範なバリューチェーンの排出量に対応するための取り組みに重点を置いてきた。Appleのカーボンフットプリントの70%以上は、製品の製造に使用されるエネルギーから生み出されており、ユーザーがデバイスの電源として使用する電力は22%を占めている。サプライチェーンの排出量に対応するため、同社はApple製品の生産に必要なクリーンエネルギーの調達にメーカーと協力してきた。

同社は今年初め、製品使用時の排出量への対応を目的とした初の再生可能エネルギー投資を発表し、テキサス州にある2,300エーカーの太陽光発電プロジェクトからクリーンエネルギーを調達している。

【関連記事】Apple、世界各地のサプライヤーの再生可能エネルギー利用を支援

本投資は、オーストラリアのクイーンズランド州にあるアッパーバーデキン風力発電所から再生可能エネルギーを供給するものだ。Appleによると、この地への投資は8万戸の家庭の電力に相当するエネルギーを供給する。

今回の再生可能エネルギーへの投資は、オーストラリアでの創業40周年を記念して行われた、サステナビリティに関する一連の発表の中で行われたものである。このほかにも、メルボルンのRMIT大学およびシドニー工科大学と提携し、オーストラリアの学生にコーディングスキルを提供する取り組みや、人種平等と正義のためのイニシアティブ(REJI)をオーストラリアに拡大し、先住民族のコミュニティに貢献するイニシアティブとコミュニティNPOに資金を提供することが発表された。

【参照ページ】
(原文)Apple marks 40 years in Australia with new commitments to drive opportunity and protect the planet
(日本語訳)Apple、デバイスの電力供給による排出の影響に対処するため、クリーンエネルギーに投資

関連記事

おすすめ記事

  1. 【最新】TISFDとは?概要・指標から国内外基準との関連まで徹底解説

    2025-9-11

    【最新】TISFDとは?概要・指標から国内外基準との関連まで徹底解説

    気候変動や自然資本など、環境領域に関する開示が進みつつある中、次なるテーマは「社会」の領域。TIS…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…

ピックアップ記事

  1. 2025-11-6

    CDPとTNFD、2025年質問票の対応マッピングを公開

    10月22日、CDPとTNFDは、CDP 2025年版企業質問票とTNFD開示推奨項目・指標との対…
  2. 2025-11-6

    ISSB、国際的なサステナビリティ開示の「グローバル・パスポート」構想を発表

    10月30日、ISSB(国際サステナビリティ基準審議会)は、ロンドンで開催された「IFRSサステナ…
  3. TNFD・自然移行計画の5つの構成要素と先行事例/実践例の紹介

    2025-11-5

    TNFD・自然移行計画の5つの構成要素と先行事例/実践例の紹介

    ※2025年11月4日公開済みの記事にTNFDが発行した「Nature in transition…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る