7月12日、EU委員会は、17の大規模なクリーンテック・プロジェクトに18億ユーロ(約2,500億円)以上の投資を行うことを発表した。本プロジェクトは、操業開始から10年間で1億3,600万トンのCO2eqを削減する可能性を持っている。プロジェクトは、ブルガリア、フィンランド、フランス、ドイツ、アイスランド、オランダ、ノルウェー、ポーランド、スウェーデンに所在する。
助成金は、革新的な低炭素技術の実証を目的とした世界最大級の資金提供プログラムであるEUの「イノベーションファンド」から支給される予定だ。エネルギー集約型産業における画期的な技術の市場投入を目指し、水素、再生可能エネルギー、二酸化炭素回収・貯蔵インフラ、エネルギー貯蔵・再生可能エネルギー用の主要部品の製造といった分野が対象となる。
本プロジェクトは、グリーン水素の流通と利用、廃棄物から水素への転換、洋上風力発電、太陽光発電(PV)モジュールの製造、蓄電池、リサイクル、二酸化炭素回収・貯蔵、持続可能な航空燃料(SAF)、先進バイオ燃料など、EUの脱炭素化への取り組みに貢献する幅広い分野を対象としている。
EUによると、選ばれたプロジェクトは、より確立された技術と比較して温室効果ガス(GHG)排出量を削減し、「最先端を超えて革新する」能力があり、かつ展開に十分な成熟度を持っているかどうかで評価されたとのことだ。また、プロジェクトの拡張性や費用対効果も選定基準に含まれている。
また、ブルガリアでは、セメント工場のCO2回収設備と黒海の枯渇したガス田の海底にある永久貯蔵庫をつなぐ、初のフルチェーン炭素回収・貯蔵庫プロジェクトが採択された。
これらのプロジェクトは、昨年10月に開始された大規模プロジェクトの第2次募集で選ばれたものである。第1回目の募集では、エネルギー集約型産業、水素、二酸化炭素の回収・利用・貯蔵、再生可能エネルギーの7プロジェクトに11億ユーロ(約1,500億円)の補助金が交付された。
【参照ページ】
(原文)Innovation Fund: EU invests €1.8 billion in clean tech projects