Microsoft、DACプロバイダーのClimeworksと10,000トンの炭素除去契約を締結

7月13日、チューリッヒに拠点を置くDAC(Direct Air Capture)スタートアップのClimeworksは、ハイテク企業のMicrosoftと10年間の炭素除去オフテイク契約を締結したことを発表した。本契約により、ClimeworksはMicrosoftに代わって1万トンのCO2を大気から除去する。

DAC技術は、IEAがネット・ゼロ・エネルギー・システムへの移行における重要な炭素除去オプションとして挙げているもので、大気中から直接CO2を抽出して原料として使用したり、貯蔵と組み合わせて永久に除去したりするものだ。今年初めに発表されたIPCCの画期的な気候変動緩和研究によると、温暖化を1.5℃に抑えるシナリオでは、CO2の除去方法は今後数十年にわたって年間数十億トンにまで拡大し、DACがその大部分を占める可能性があるとされている。

ClimeworksはDACのリーディングプロバイダーとして頭角を現し、最近DACの能力拡大を支援するために6億5千万ドル(約900億円)の増資を完了した。6月には、同社の18番目のプロジェクトとして、年間36,000トンのCO2回収が見込まれる最大規模の「マンモス」の立ち上げを発表している。

Microsoftは、2030年までにカーボン・ネガティブを実現し、2050年までに過去の全排出量を削減するために、昨年、同社の炭素除去ポートフォリオの一部として、Climeworksのソリューションを最初に選択した。今後、ClimeworksはMicrosoftにとって初の長期的な炭素除去サプライヤーとなる。

【参照ページ】
(原文)Climeworks becomes first supplier of long-term, technology-based carbon removal to Microsoft, as the companies sign a 10-year offtake agreement
(日本語訳)Microsoft、DACプロバイダーのClimeworksと10,000トンの炭素除去契約を締結

関連記事

“イベントへのリンク"

おすすめ記事

  1. 2024-4-16

    SSBJ公開草案の重要ポイント解説:今後の気候変動の情報開示はどう動くか

    2024年3月29日、サステナビリティ基準委員会(SSBJ)が国内のサステナビリティ開示基準の草案…
  2. 2024-4-9

    SBTN(Science-Based Targets for Nature)とは。企業のネイチャーポジティブ経営を実現する目標設定の方法論を解説。

    TNFDのフレームワークが公開され、先進企業ではフレームワークに基づく情報開示が進みつつある(20…
  3. 2024-4-2

    【さくっと読める】TNFDの開示とは。重要ポイントを抽出。

    2023年9月、TNFDのフレームワークが完成し公開された。2023年時点でTNFDに基づく開示を…

ピックアップ記事

  1. アップルのサプライチェーンの95%、2030年までに100%再生可能エネルギー使用を約束

    2024-4-25

    アップルのサプライチェーンの95%、2030年までに100%再生可能エネルギー使用を約束

    4月17日、アップルは、バリューチェーンの脱炭素化という目標に向けて大きく前進していることを発表し…
  2. 2024-4-24

    ダウとP&G、プラスチック・リサイクル技術の共同開発契約を締結

    3月25日、 米国の化学世界大手であるダウと消費財業界大手のP&Gは、プラスチック・リサ…
  3. 2024-4-24

    住商グループとパートナー企業、太陽光発電パネルの再利用・リサイクル実証実験に着手

    3月28日、住友商事、三井住友ファイナンス&リース(SMFL)、SMFLみらいパートナーズ…

ページ上部へ戻る