6月28日、グローバル・レポーティング・イニシアティブ(GRI)は、農作物、動物、水産物の生産に携わる企業が環境、経済発展、人権などの主要な持続可能性分野に与える影響評価の指針として、農業、養殖業、漁業分野の新しい開示基準の立ち上げを発表した。
農業、養殖業、漁業は、人類を養うという中心的な役割に加え、地球や人々に大きな影響を与えるため、持続可能性に関する行動や情報提供の主要な焦点となる分野である。例えば、農業は、土地利用や森林破壊と同様に、世界の温室効果ガス(GHG)排出の大きな割合を占めている。それぞれのセクターは、気候変動や生物多様性の損失から、食料安全保障や労働慣行に至るまで、さまざまな問題に影響を及ぼしている。
GRIによると、新基準「GRI13:農業・養殖業・漁業セクター2022」は、食料安全保障、土地と資源の権利、生活賃金と収入、自然生態系の転換、動物福祉、土壌の健康、農薬に関するセクターの新しい開示を含み、セクターの企業がその影響と国連の全17の持続可能な開発目標(SDGs)を関連付けることを支援する。
新基準は、昨年、石油・ガスセクターを対象としたGRI初のセクター基準を発表したのに続き、今年初めには石炭セクターの基準も発表している。GRIは今後、鉱業、繊維・アパレル、食品・飲料など、さらなるセクタースタンダードの公表を予定している。 また、GRIの報告に関するモジュールシステムの一部を形成しており、組織はまず昨年更新されたGRIのユニバーサルスタンダードから始め、次にセクタースタンダードを使用して重要なトピックを決定し報告する。
【参照ページ】
(原文)Advancing sustainable production on land and sea
(日本語訳)GRI、農業・漁業分野のサステナビリティ・レポーティング・スタンダードを発表