気候変動スタートアップEH2、約270億円を調達しグリーン水素技術を拡張

6月22日、気候変動技術のスタートアップであるElectric Hydrogen(EH2)は、グローバル産業の脱炭素化を支援するグリーン水素を製造する電解槽技術および実証プロジェクトの拡大を目的とした資金調達ラウンドで、1億9,800万ドル(約269億円)を調達したと発表した。

今回の資金調達は、Fifth Wall Climate Techが主導し、S2G Ventures、Silicon Valley BankおよびTrinity Capitalが参加したものだ。

EH2は、低コストで高効率の、化石燃料を使わない水素システムの技術を開発している。同社の高処理電解槽技術は、大規模な産業活動を支えるために必要な水素を大量かつ低コストで製造することを目的としており、100%クリーンエネルギーで動作する。

水素は、クリーンなエネルギーへの移行において重要な構成要素の一つと考えられており、特に、風力や太陽光などの再生可能エネルギーによるソリューションが実用化されていない、排出量の削減が困難なセクターにおいて重要な役割を担っている。再生可能エネルギーを動力源として他の物質から水素を取り出すグリーン水素のようなクリーンな水素供給能力の開発には、インフラ、電解、輸送などの分野で大規模な投資が必要となる。

今回の資金調達で得た資金は、高処理電解槽技術のスケールアップや、化石燃料を使用しない水素を大規模に製造するための実証プロジェクトの製造・展開に使用される予定だ。

【参照ページ】
(原文)Electric Hydrogen Secures $198M in Financing to Decarbonize Global Industries With Fossil-Free Hydrogen
(日本語訳)気候変動スタートアップEH2、グリーン水素技術の拡張のために約2億ドルを調達

関連記事

“導入事例へのリンク"

おすすめ記事

  1. 2024-4-9

    SBTN(Science-Based Targets for Nature)とは。企業のネイチャーポジティブ経営を実現する目標設定の方法論を解説。

    TNFDのフレームワークが公開され、先進企業ではフレームワークに基づく情報開示が進みつつある(20…
  2. 2024-4-2

    【さくっと読める】TNFDの開示とは。重要ポイントを抽出。

    2023年9月、TNFDのフレームワークが完成し公開された。2023年時点でTNFDに基づく開示を…
  3. 2024-3-26

    【さくっと読める】ESGスコアとは。基本的知識を解説。

    今月から、サスティナビリティ情報開示で関心の高いテーマについて、さくっと読める解説コラムを発行して…

ピックアップ記事

  1. 2024-4-18

    オーストラリア裁判所、グリーンウォッシュ訴訟でバンガードに有罪判決

    3月28日、オーストラリアの連邦裁判所は、バンガード・インベストメンツ・オーストラリアが、同社のE…
  2. 上場企業の40%以上がスコープ3排出量の報告を開始

    2024-4-15

    上場企業の40%以上がスコープ3排出量の報告を開始

    4月に発表した、投資データ・リサーチプロバイダーであるMSCIの新しいレポートによると、世界の上場…
  3. SBTi、ネット・ゼロ目標における炭素クレジットの役割拡大を認める

    2024-4-15

    SBTi、ネット・ゼロ目標における炭素クレジットの役割拡大を認める

    4月9日、科学的根拠に基づく目標設定イニシアティブ(SBTi)は、企業の環境持続可能な行動を気候変…

アーカイブ

ページ上部へ戻る