WBCSD、炭素排出データの標準的交換のための最初の技術仕様一式を発表

WBCSD、炭素排出データの標準的交換のための最初の技術仕様一式を発表

6月16日、持続可能な発展のための世界経済人会議(WBCSD)が主催する炭素の透明性のためのパートナーシップ(PACT)は、炭素排出データの標準的交換のための最初の技術仕様一式を発表した。本仕様により、初めて、排出量と会計の異なる技術ソリューションを相互に接続し理解できるようになり、企業がデータにアクセスすることが容易になる。

本仕様は、企業が脱炭素化を進める上で基本となる炭素の透明性を高めるための重要な進展であり、今年4月のPACTによる最初のデータ交換に続くものである。

企業は、Scope3排出量、すなわちサプライチェーンで発生する排出量に取り組む必要性をますます認識しつつあるが、多くの企業はまだ十分な透明性を確保するのに苦労している。その主な原因として、バリューチェーン全体のデータにアクセスすることの困難さが挙げられる。

そのため、企業は炭素会計や排出権取引技術のソリューションを採用しているが、これらのソリューションには、相互運用性、すなわち互いに接続し、情報を交換し、交換された情報を理解する能力という重要な機能が欠けている。

PACTの技術仕様は、本課題の解決を目的としている。データ交換プロトコルは、技術的な観点からソリューション同士の接続を可能にする。また、異なるソリューション間でのデータの理解を可能にする。最終的には、データが(技術的な)サイロの中に留まってしまうリスクを減少できる。

【参照ページ】
(原文)Partnership for Carbon Transparency (PACT) sets foundations for standardized emissions data exchange
(日本語訳)WBCSD、炭素排出データの標準的交換のための最初の技術仕様一式を発表

関連記事

おすすめ記事

  1. TCFD×TNFD統合開示ガイド:いま企業が備えるべき実務対応とは?

    2025-8-20

    TCFD×TNFD統合開示ガイド:いま企業が備えるべき実務対応とは?(再掲)

    ※2025年5月28日公開済みの記事を一部更新し再掲している。 企業のサステナビリティ関連の…
  2. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成している。今後の動向により内容は随時更新される…
  3. TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    2025-7-10

    TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    ※本記事は2024年10月の内容にGX-ETSに関する内容を追記し再掲載している。(2025年7月…

ピックアップ記事

  1. サステナビリティ開示におけるタクソノミ導入と実務対応のポイント

    2025-8-22

    サステナビリティ開示におけるタクソノミ導入と実務対応のポイント

    2025年8月8日、金融庁は、「2027年版EDINETタクソノミの開発案」を公表した。これは、I…
  2. 2025-8-19

    PR【対談&ワークショップ】第一生命が語る「ESG開示」と「企業価値向上」

    毎回満員御礼でご好評をいただいているESG Journal 会員向けのESG Journal …
  3. 2025-8-18

    金融庁、EDINET新タクソノミ案公表 27年版ではサステナ情報開示も検討

    8月8日、金融庁は企業の有価証券報告書などで利用される電子開示システム「EDINET」の基盤となる…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る