ルクセンブルグ財務省、インパクト投資戦略の立ち上げにSchrodersとBlueOrchardを選定
6月16日、グローバルな投資運用会社であるSchroders(シュローダー)とそのインパクト投資運用会社であるBlueOrchard(ブルーオーチャード)は、ルクセンブルグ財務省から、特に新興市場に焦点を当て、カーボンニュートラルで回復力のある経済への移行支援を目的とした新しいインパクト投資戦略を共同で立ち上げるよう選定されたと発表した。
本パートナーシップは、ルクセンブルグを拠点とするブレンデッド・ファイナンス・ビークルに基づくもので、特に新興市場における気候変動や環境悪化に対処するために必要な資金を動員することを目的としている。世界経済をネット・ゼロモデルに移行させるための重要な障害のひとつは、新興市場における多額の資本投資の必要性である。IEAは、途上国におけるクリーンエネルギーの取り組みには、今後10年間で1兆ドル(約134兆円)の投資が必要であると推定している。
ブレンデッドファイナンスは、公的または慈善的な資本と民間の資金を共通の投資構造によってまとめ、気候緩和関連の新技術など、認識されたリスクプロファイルが高い特定のタイプに投資できるようにする。この手段は、大規模な機関投資家を惹きつけるように設計されており、公的金融機関やその他のドナーは、必要とされる多数の基礎的な気候変動プロジェクトに大量の民間資本を動員するための最初の損失として、少額の自己資金を使用できる。
新しいインパクト戦略は、気候緩和、気候適応、水と生物多様性の保護などの分野に焦点を当て、パリ協定と国連の持続可能な開発目標(SDGs)の環境目標に対応するソリューションに投資する予定である。
今回の選定は、持続可能でインパクトのある投資への注力と能力向上を目指すシュローダーによる一連の動きに続くものである。シュローダーは2019年に ブルーオーチャードの株式の過半数を取得し、2020年にはGlobal Impact Investing Network(GIIN)に参加した。昨年、シュローダーは、同社が運用するすべての投資案件において、ESG要素を意思決定に組み込むプロセスの完了を発表し、次に投資の影響とその結果直面するリスクの理解を表明している。今年初めには、サステナビリティに焦点を当てたエンゲージメント目標を、株式・債券ファンドマネージャーとアナリストの業績目標の一部にすると発表している。
【参照ページ】
(原文)Luxembourg Ministry of Finance appoints Schroders and BlueOrchard to accelerate climate action with a landmark partnership
(日本語訳)ルクセンブルグ財務省、インパクト投資戦略の立ち上げにSchrodersとBlueOrchardを選定