エクサジー3、産業熱の脱炭素と電力系統制約の解消を目指す

4月21日、高温産業熱向け技術を手がける英エクサジー3はシードラウンドで1000万ポンドを調達したと発表した。産業部門の脱炭素化に加え、再生可能エネルギーの出力抑制や電力系統の制約、エネルギー安全保障といった欧州の課題への対応を進める。
同社はエディンバラ大学発のスピンアウト企業。余剰の再生可能エネルギー電力を高温熱に変換し、産業用途に活用する独自技術を開発している。風力などで発電されたものの、需給のミスマッチにより系統で吸収しきれず使われない電力を、高温熱として有効利用する仕組みだ。
英国では2024〜25年に電力系統の需給調整に27億ポンドが投じられた。再生可能エネルギーの導入拡大で、供給が需要を上回る場面が増える一方、系統側の受け入れ能力が追いつかず、低炭素電力の出力抑制が発生している。こうした中、産業界では排出削減を進めながら、安定的で手頃なエネルギー確保が課題となっている。
今回の資金調達は、アクスレオ・キャピタルが主導し、バイエルン・キャピタル、キボ・インベストが参加した。既存投資家としてスコティッシュ・エンタープライズ、ゼロ・カーボン・キャピタル、オールド・カレッジ・キャピタルも加わった。
調達資金は、製造能力の拡充や人員増強、商用展開の加速に充てる。年内に従業員数を倍増させる計画で、今四半期中にはドイツ・ミュンヘンに新拠点を開設し、ドイツ市場への展開を本格化する。
同社のシステムはモジュール型の蓄熱装置で、再生可能電力を50〜1200度の高温熱に変換できる。設置面積を抑えつつ、追加インフラを最小限にできる設計としており、直接加熱や蒸気供給など幅広い産業プロセスへの適用を見込む。
重工業分野は世界のエネルギー消費の2割超を占め、依然として化石燃料依存が大きい。エクサジー3は、余剰再エネを産業熱に転換することで、脱炭素化と系統効率の改善を同時に進める選択肢として事業化を急ぐ。欧州でエネルギー転換を巡る課題が続く中、商用展開の進捗が注目される。
原文:Exergy3 Raises £10m Seed Round to DecarboniseIndustrial Heat, Tackling Grid Constraints andEnergy Security
日本語参考訳:Exergy3社、産業用熱の脱炭素化、送電網の制約、エネルギー安全保障への取り組みのため、シードラウンドで1,000万ポンドを調達
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