TNFD・GRI・SBTN、自然指標の標準化へ

4月9日、TNFD・GRI・SBTNの3団体は、「自然の状態(state of nature)」指標の共有(活用)に関する共同ディスカッションペーパーを公表し、それぞれのフレームワークや基準の更新について、意見募集(コンサルテーション)を開始した(6月4日まで)。

今回の意見募集では、企業や金融機関が自然関連の「評価・開示・移行計画・目標設定」を行う際に、どのように共通指標を組み込むべきかという議論を踏まえたもの。なお、「自然の状態(state of nature)」とは、TNFDにおいて「生態系の状態と広がり、および種の個体群サイズと絶滅リスク」として定義されている。

TNFD:開示指標の「コア化」

TNFDに関する注目の論点は、「生態系の状態」と「種の絶滅リスク」を仮置きの指標から正式なコア開示指標へ格上げする提案であろう。また、開示の空間スケールも重要な論点となっている。従来の拠点(サイト)単位に加え、景観・流域・海域といった広域レベル、さらにはバリューチェーン上の重要地域での開示が求められる可能性がある。

GRI:影響特定プロセスへの統合

GRIでは、主に以下の論点がある。

  • 影響特定の有用性: NPIの指標が、組織の「最も重大な影響」を特定するプロセス(開示事項101-4)において有用か。
  • 開示の空間的スケール: 拠点(サイト)レベルと、より広範な景観/海域レベル(調達地域など)のどちらのスケールで指標を開示することが適切かつ有用か。
  • 種に関する指標の強調: 種の絶滅リスクや個体群サイズといった種に基づく指標を、より目立たせる(推奨または必須にする)べきか。

SBTN:評価・優先順位付け・MRVへの適用

SBTNでは、NPIの開発した指標を評価や優先順位付け、さらには目標達成に向けた進捗管理(MRV)にどう組み込むかが焦点になっている。特に、景観レベルでの適用やサプライチェーン全体への展開が想定されるなかで、トレーサビリティやデータ取得の現実性といった課題がある。

今後、TNFDの開発した指標を軸に、生物多様性(自然資本)の開示が進んでいくだろう。また、拠点中心から「景観・バリューチェーン」へと分析単位が拡大していく方向になることが想定されるだろう。さらには、アウトカム志向の強化がすすみ、排出量や指標だけでなく、「自然の状態そのもの」を測る方向へ進化していく可能性がある。なお、意見募集は2026年6月4日までとなっている。

    原文:Discussion paper on state of nature measurement


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