マース、欧州全10工場が再生可能エネルギーで稼働開始

9月23日、大手食品会社のマースは欧州にあるスナック菓子製品の全10工場が再生可能エネルギーでの完全稼働に移行したと発表した。これにより、年間約90万トンに及ぶ「スニッカーズ」「ツイックス」「エムアンドエムズ」「スキットルズ」「オービット/エクストラ」などの人気ブランドが持続可能な形で生産される。

対象工場はチェコ、フランス、ドイツ、オランダ、ポーランド、英国に所在し、同地域で生産される製品の約85%は域内で消費されている。この成果は、過去5年間で15億ユーロを投じた設備近代化や生産能力拡大、バリューチェーン脱炭素化の取り組みの一環である。マースは2016年に欧州初の風力発電所へ投資して以来、全ての菓子製造拠点を再生可能電力へ転換。さらに、残余の電力やガスについては再生可能電力証書(GO)やバイオメタンで補填している。

マース・リグレー欧州地域プレジデントのマーク・カレナ氏は「私たちの成功は財務だけでなく、人・地球・社会へのポジティブな影響で測られる。サステナビリティは戦略の核心にあり、次世代に持続的な利益をもたらす」と述べた。

今回の達成は、2050年までのネットゼロ実現に向けた重要な一歩であり、2026年末までにさらに10億ユーロを投資する計画も示されている。

(原文)Mars Snacking Factories in Europe Now Fully Powered by Renewable Energy

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